社会保険用のマイナンバーを集める前に伝える利用目的と案内の準備

要点

デジタル庁のよくある質問(各回答は2023年6月更新、ページの最終更新日は2026年6月17日)は、本人から直接書面(電磁的記録を含む。)に記載されたマイナンバーを取得する場合は、個人情報保護法第21条第2項に基づき、本人に利用目的を明示しなければならないとしています。当社の整理では、使う届出の名前を案内文に落とし込み、実際の手続きと照合してから配布する流れにし、案内した内容・方法・時点を控えておきます。

公開:2026年11月3日/情報の確認日:2026年11月3日(出典はこの記事の最後)

この記事は、社会保険の届出のために従業員のマイナンバーを集める小さな会社の担当者が、集める前に本人へ伝える利用目的の案内文と、配布した版の控えを確かめる流れをまとめたものです。

公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月3日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。

例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。

1.「社内の事務用」を、予定する届出の名前に置き換える

日本年金機構は、従業員のマイナンバーを取得する際、年金関係事務に利用する目的を本人に通知または公表する必要があると案内しています(案内ページの更新日は2023年11月2日、確認日:2026-11-03)。個人情報保護委員会の特定個人情報ガイドライン(事業者編。令和7年6月一部改正の版を確認)では、本人が自らの個人番号の使い道を一般的かつ合理的に予想できる程度に、利用目的を具体的に特定することが望ましいとされています。

神奈川県の事業者向け案内は、取得前に周知する利用目的の例として「源泉徴収票作成」「健康保険・厚生年金保険届出」「雇用保険届出」等を挙げています。

ここからは当社の整理です。

文案を作る際は、担当者が実際に準備している届出の名前を手元に置き、案内の表現と対応させると整理しやすくなります。

「入社に伴う社内の事務に使う」とだけ書いた案内は、どの書類に使うのかという問いへの答えになっているかを見直します。引き継いだ文面を使うときも、現在の業務と同じ範囲を扱っているか、手続きの担当者と照合しておくとよいです。

2.提出用紙と一緒に、先に読める案内を用意する

個人情報保護委員会のガイドライン(事業者編)第4-6は、個人情報保護法の主な規定として、個人情報取扱事業者が、本人から直接書面(電磁的記録を含む。)に記載された個人情報を取得する場合は、あらかじめ本人に利用目的を明示しなければならないと示しています。ただし、人の生命、身体又は財産の保護のために緊急に必要がある場合は、この限りでないともされています。マイナンバーの利用目的の通知等の方法について、デジタル庁は、書類の提示のほか社内LANにおける通知を挙げつつ、従来から行っている個人情報の取得の際と同様の方法で行うことが考えられるとしています。

準備では、配布する案内と提出用紙を並べて読み、相手が何を見てから提出する流れなのかを確かめます。案内が別の場所にあるときは、提出の依頼文にも参照する場所を添えるとよいです。担当者だけが保存場所を知っている状態で終わらず、受け取る側の立場で案内を探してみると、説明が足りない箇所が分かります。

案内の配布予定と、番号を受け取り始める予定を照合することも準備の一部です。社内の回収目安は、届出を担当する人と相談して定め、利用目的の説明とは分けて記載します。相手が尋ねたいときの連絡先も添え、用途への質問を受ける担当を決めておくとよいです。

3.利用目的の文案は、実際に扱う事務と照合する

デジタル庁のよくある質問は、複数の利用目的をまとめて明示することは可能としています。ただし、文案に候補を並べるだけで終えず、実際に予定している業務と照合する工程を設けます。用途の説明と、提出先や社内の回収目安の案内を分けると、用途だけを読み直すときにも探しやすくなります。

利用目的の文面を検討するための短い例です。届出の名前は、神奈川県の案内にある例から借りています。文面そのものは当社の例で、神奈川県や公的機関が示した文面ではありません。

提供を受けた個人番号は、健康保険・厚生年金保険届出事務および雇用保険届出事務に利用します。

この文案は、そのまま配布できる完成版という位置付けではありません。自社で行う業務、対象となる相手、すでに知らせている内容を照合するための出発点です。用途の文面が固まった後に、提出方法や問い合わせ先を同じ案内に追記します。表現を直すときは、読みやすさと使い道の具体性を分けて点検すると、説明が広がりすぎる箇所を探しやすくなります。

4.案内の確定から配布した控えまでをつなぐ

案内文を作る人と、番号を受け取る人の間で、配布する版をそろえます。下の表は、準備する資料と社内の引き継ぎを整理した例です。

誰がいつ用意するもの残す控え
手続きを担当する人案内文を作る前予定する届出と用途のメモ用途の確認結果
案内を作る人配布する前用途・提出方法・問い合わせ先をまとめた文面確定した案内文
配布する人本人へ案内するとき確定した版と提出用紙案内した日と方法
受け取る人受付を始める前使用中の案内と質問の引き継ぎメモ説明を補った内容と担当

控えは「案内済み」という記載だけにせず、何を伝えたかをたどれる形にします。案内文の保存先と配布した版を結び付けておくと、問い合わせを受けた担当者も同じ説明を確認できます。案内の記録に番号そのものを転記する運用は設けず、配布した内容を確認する控えとして扱う整理です。

配布を別の担当者に引き継ぐ際は、確定した案内の保存先と、回答が済んでいない質問を一緒に渡します。文面を作った人の手元にだけ修正理由が残らないよう、差し替えた箇所も控えに添えると、後から確認する人が経緯を追いやすくなります。

配布後に案内を直したときは、古い版と新しい版が混ざっていないかを確認します。質問への回答で説明を補った場合も、次に案内する人へその内容を引き継いでおくとよいです。

5.追加の用途や提供を受けられない場合は、判断を確認する

デジタル庁は、取得時に特定していなかった事務へのマイナンバーの利用は、あらかじめ特定した利用目的を超えると説明しています。同じ回答は、その事務に利用するには、利用目的を明示してあらためて本人から提供を受けるか、利用目的を変更したうえで変更後の利用目的を本人に通知または公表する必要があるとしています。個人情報保護委員会のガイドラインでは、利用目的の変更は、変更前の利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはならないとされています。手元に番号があるという理由で追加の用途を決めず、以前の案内と今回の用途をそろえ、公式資料を示して専門家に確認します。

デジタル庁のよくある質問は、決められた書類にマイナンバーを記載することが法令または条例で定められた義務であることを周知して提供を求めても、提供を受けられないときは、書類の提出先の機関の指示に従うよう案内しています。担当者だけで扱いを決めず、予定する届出とこれまで説明した内容を整理して確認先へ伝えます。

日本年金機構は、健康保険・厚生年金保険関係の届書で従業員のマイナンバーを記入する際に、利用目的の明示と本人確認の両方を求めています。用途の案内を済ませたことと、受け取り時に必要な確認を終えたことは分けて管理します。具体的な受け取り方や判断に迷う点は、公式資料を示して専門家に確認する形です。

6.確認表

公開・共有の前に、この表で確かめます。

確認確かめること
□予定する届出と、案内文に書いた用途を照合したか
□使い道が読み手に伝わる表現になっているか確認したか
□提出を受ける前に案内を見られる流れを確認したか
□提出方法・社内の回収目安・問い合わせ先を整理したか
□配布する人と受け取る人で、使用する案内の版を統一したか
□案内した内容・方法・時点をたどれる控えを用意したか
□追加の用途や回答に迷う質問を、専門家に確認する事項として整理したか

7.自社の事務の手順まで形にしたいとき

ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。

自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、30分の無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。

出典(確認日:2026年11月3日)

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このページの確かめ方は、情報の確かめ方と更新の方針にまとめています。

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