クレームの記録と分類をAIで整える手順。分類の一貫性と対応期限の確認

要点

AIには受付メモの整理と分類候補、対応期限の転記までを任せ、人は分類の一貫性と対応期限を確かめます。追加連絡を別の苦情として数えず、お客様の申し出を確認済みの事実に変えないことが中心です。AIの出力は下書きにとどめ、返答の約束や対応完了は人が決めて記録に反映します。

公開:2026年11月3日/情報の確認日:2026年11月3日(出典はこのページの最後)

電話・メール・店頭で受けた苦情を引き継ぐ場面では、受付メモとその後の連絡をつなげ、返事の約束を確かめる作業が生じます。 国民生活センターのPIO-NETの説明では、聞き取りから相談処理までの過程を記録するとしています。 個人情報保護委員会は、個人情報の取扱いに関する苦情処理で、担当者や手順を定めることを体制整備の例に挙げています。

表・指示文・数字は説明のための架空の例で、実在の会社の話ではなく、AIが実際にそう答えることを示すものではありません。

1.AIに任せること(クレームの記録と分類)

受付メモを短く整理し、社内で定めた基準に沿う分類候補を付ける範囲です。事実・お客様の申し出・担当者の見解を分け、同じ案件の連絡をひも付けます。期限は渡した記録から転記し、記載のない欄は「記載なし」、分類が曖昧な箇所は「要確認」とする下書きにとどめます。

渡すもの

  • 氏名・連絡先を伏せ、受付と案件の記号を付けたメモの写し
  • 分類の定義と版、複数分類や分類に迷う場合の扱い
  • 約束した回答日、社内の期限、担当者、対応状況の記録
  • 期限を比べる確認時点と、人が整理した見本

AIが出すもの

  • 元のメモをたどれる、区分別の要約
  • 分類候補と理由、判断に迷った箇所
  • 案件ごとの連絡履歴と、追加連絡のひも付け候補
  • 回答日・社内の期限・対応状況と、確認が必要な欄

2.AIでの進め方

  1. 分類の扱いをそろえる:分類名だけでなく含める内容を定め、複数に当てはまる場合と分類不能の扱いを決めます。版を明記し、同じ基準を使います。
  2. 原記録を残して写しを作る:氏名・連絡先は伏せ、照合用の対応表はAIに渡さず社内で管理します。AIに元のデータを直接書き換えさせず、別の下書きへ出す形です。
  3. 見本で試す:追加連絡や分類の重なるメモを含む見本を渡し、人の整理と比べます。異なる分類になった理由を見て、基準の曖昧な所を直すとよいです。
  4. 期限と申し出を分けて出す:約束した回答日と社内の期限は別の欄にし、日付のない記録を推測で埋めない指示にします。未確認の申し出は、事実の欄へ移さない扱いです。
  5. 別の日に分類を比べる:同じ版の基準と同じ記録を使って再分類し、分類の違いを見ます。期限超過の判定は時間の経過で変わるため、分類とは分けて確認します。
  6. 確認した内容を台帳へ反映する:人が原記録と照合して反映し、分類の修正理由と確認者を残します。期限超過や担当未定の案件は、社内の引継ぎ先へ回す流れです。

3.確かめる点

検査の中心は、分類の一貫性、対応期限です(当社の「できること64項目」の記載)。

確かめること見方見落とすと
分類の一貫性、対応期限同じ記録の再分類を比べ、約束した回答日と社内の期限を原記録と照合する集計の分類が変わり、返答待ちが残る
受付と案件の対応受付記号を照合し、追加連絡を同じ案件の履歴につなぐ苦情の件数が重複し、連絡の経緯が分かれる
事実・申し出・見解要約の各欄を原記録の発言や確認内容と突き合わせる未確認の内容が確定した情報として伝わる
複数分類と要確認分類の定義に戻り、候補の理由と未確定箇所を見る分類が重なる内容や迷いが集計から抜ける
担当者と未対応の状態担当者、対応履歴、完了の記録を照合する引継ぎ先や残った対応が分からなくなる
個人情報と修正履歴渡す写しの伏せ字と、分類修正の理由・確認者を確かめる不要な情報が渡り、変更の経緯が追えなくなる

4.人が判断する所

  • 分類基準の変更、複数分類を集計する方法
  • 相手への返答の約束と、社内の期限・担当者の設定
  • 返金や補償の内容、責任者へ引き継ぐ必要性
  • 台帳への反映、対応完了の確定と再開の扱い

5.AIへの指示文の作例

架空の飲食店の受付メモを使い、追加連絡と複数分類、期限超過を分けて確認する作例です。

複数に該当する場合は分類を併記する。迷う所は要確認とし、理由を付ける。

受付案件メモ約束した回答日社内の期限
Aあお客様が「呼んでも応答がなかった」と申告。担当者は混雑が理由と推測。事実確認前本日の閉店まで本日の昼
BあAと同じお客様から追加連絡。「返答を待っている」と申告変更の記載なし変更の記載なし
Cいお客様が「料理が冷たかった」と申告。確認前明日の閉店まで本日の閉店まで
Dうお客様が「料理の説明がなく、尋ねても返答がなかった」と申告。確認前本日の閉店まで本日の昼
Eえお客様が「持ち帰り袋に付属品がなかった」と申告。担当者が入れ忘れを確認。返答は未了昨日の閉店まで昨日の昼
Fおお客様が「同じ代金を重ねて請求された」と申告。会計記録の確認前記載なし記載なし
目的:苦情記録の下書きを作る。返信文は作らず、原記録は変更しない。
以下は架空の入力メモであり、AIの出力例ではない。
確認時点:本日の開店前。
分類基準の版:見本用・あ。
分類:料理=温度や味、接客=応対、説明=料理の説明、持ち帰り=包装や同梱、会計=請求の申し出。
複数に該当する場合は分類を併記する。迷う所は要確認とし、理由を付ける。

| 受付 | 案件 | メモ | 約束した回答日 | 社内の期限 |
|---|---|---|---|---|
| A | あ | お客様が「呼んでも応答がなかった」と申告。担当者は混雑が理由と推測。事実確認前 | 本日の閉店まで | 本日の昼 |
| B | あ | Aと同じお客様から追加連絡。「返答を待っている」と申告 | 変更の記載なし | 変更の記載なし |
| C | い | お客様が「料理が冷たかった」と申告。確認前 | 明日の閉店まで | 本日の閉店まで |
| D | う | お客様が「料理の説明がなく、尋ねても返答がなかった」と申告。確認前 | 本日の閉店まで | 本日の昼 |
| E | え | お客様が「持ち帰り袋に付属品がなかった」と申告。担当者が入れ忘れを確認。返答は未了 | 昨日の閉店まで | 昨日の昼 |
| F | お | お客様が「同じ代金を重ねて請求された」と申告。会計記録の確認前 | 記載なし | 記載なし |

資料にあることだけを使い、事実・お客様の申し出・担当者の見解を別の欄にする。
受付記号をすべて残し、Bは案件「あ」の履歴につなぐ。追加連絡で新しい苦情を増やさない。
分類候補・理由・約束した回答日・社内の期限・対応状況を案件ごとに出す。
変更の記載がない追加連絡で元の約束を消さず、根拠の受付記号も残す。
期限超過の判定は確認時点と比べる。空欄から日付や完了を推測しない。
自信のない分類、欠けた担当者や日付は、要確認欄へ分ける。

6.当社に相談するとき

この仕事は、手順書と検査を当社が設計し、お手元のAIで回していただく形が基本です。

どの業務から始めるか迷う場合も、滋賀の中小企業向けAI相談(初回無料相談)をご利用ください。料金は料金のページに載せています。

出典(確認日:2026年11月3日)

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