両立支援プランには何を書く?決定済み配慮と見直し日の欄
要点
両立支援プランの書式には、治療・通院の予定、決定した措置・配慮とその実施時期・期間、フォローアップの方法と予定の欄を設けます。いずれも治療と就業の両立支援指針がプランに盛り込むことが望ましいとする事項です。書式を整える際は、決定内容との照合欄と見直し予定日の欄を設けると、転記元と次の確認時点をたどりやすくなります。
この記事は、治療と仕事の両立支援で決まった措置・配慮を書面にまとめたい小さな会社の担当者が、記載欄と決定記録との照合、見直し日の残し方を確かめる流れをまとめたものです。
公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月6日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。
例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。
1.公式の記載内容を、転記しやすい欄に分ける
厚生労働省の両立支援ナビは、様式例をあくまでも一例とし、事業場内で十分に検討して実態に合った様式を作成することが重要としています。「治療と就業の両立支援指針」(令和8年2月10日 厚生労働省告示第28号)は、治療・投薬の状況と今後の治療・通院予定、措置・配慮の具体的内容と実施時期・期間、フォローアップの方法とスケジュールを盛り込むことが望ましいとしています。
ここからは当社の整理です。
次の表は、その内容を記録するための欄の組み方をまとめたものです。対象者の識別、転記元、確認者などは照合のために組み合わせた欄で、公式の必須項目一覧ではありません。
| 項目 | 何を書くか | 書き間違えやすい点 |
|---|---|---|
| 対象者・作成情報 | 対象者を識別する情報、作成日、更新日 | 同じ名前の別人や古い版と取り違える |
| 治療・投薬の状況と今後の予定 | 提供された情報のうち、支援に必要な状況と予定 | 治療予定を会社側の決定として書く |
| 決定済みの措置・配慮 | 決定記録にある内容を、対象業務や勤務の扱いと対応させて記入 | 本人の希望や検討中の案を確定欄に混ぜる |
| 実施時期・期間 | 内容ごとの開始日・終了日、期間を確認した記録 | 書面の作成日や面談日で代用する |
| フォローアップ | 確認方法、担当、参加者、面談・見直しの予定日時 | 「後日確認」とだけ書き、次の予定を残さない |
| 照合用の管理情報 | 転記元の書類名・日付、決定記録、確認者 | どの記録から写したか分からなくなる |
措置の内容と期間は対応が分かる配置にします。開始日・終了日の隣に見直し予定日を並べる場合も、欄名を分けておくと読み違えを防ぎやすくなります。
2.決定内容と転記元を照合してから確定する
書式を埋める前に、本人から出された希望、医療職の意見、会社の決定を分けて置くとよいです。似た表現でも、希望と決定では記録の意味が違います。確定欄への転記元は、担当者が探し直せる書類名や日付と組み合わせます。
照合では、対象者、対象業務、措置の内容、実施期間を順に見比べます。「業務を調整する」とだけ記録されている部分を、転記担当者が具体的な作業名に置き換えることは避け、決定内容を確認する事項として扱います。言葉を補ったことで、元の記録より広い配慮を決定したように見えないことが大切です。
期間が異なる内容は、同じ行にまとめず、内容ごとに記入場所を分ける方法があります。終了日が書かれていない部分は、転記担当者の見込みで補わず、確認待ちの事項として確定欄と区別します。
本人との照合欄には、確認日・確認した内容・対応が残った事項を記録すると、単に「確認済み」と書くより状況を追いやすくなります。就業継続の可否や配慮の妥当性など、医学・労務上の判断は担当者が書式上で決めず、専門家に確認します。
3.記入例は、配慮内容と期間を対応させる
次は、すでに決まった内容を移す場面を示した短い記入例です。記号部分には、実際の決定記録にある日時や担当者を入れる想定です。
対象者:対象者欄で識別 決定済みの配慮:通院に合わせた勤務時間の調整 勤務時間:決定記録に記載された始業・終業時刻を転記 実施期間:○年○月○日から○年○月○日まで 面談・見直し予定:○年○月○日、○時から 参加者:決定記録に記載された本人・担当者 照合元:決定内容の記録(○年○月○日付) 確認状況:内容・期間は照合済み。連絡先の記入は確認待ち
ここで示しているのは欄の対応関係です。勤務時間の調整を採用するか、どの時間帯にするかを、この例から決める使い方は想定していません。記入例から自社の書式に移す際には、見本の文言を残したまま確定扱いにしないことも確認点です。
4.見直し予定と更新記録をつなぎ、閲覧範囲を整える
指針の様式例集にある「両立支援プラン/職場復帰支援プランの作成例」では、面談の頻度・参加者に加え、面談予定日と時間を書き、必要に応じてプランを見直す記載例が示されています。指針では、治療の経過によって措置・配慮の内容や時期・期間が変わることがあるため、本人の状況を適時確認し、必要に応じて内容を見直すことが必要とされています。
書式上は、次の面談予定と、そこで内容を見直した結果を別の欄にすると扱いやすくなります。予定日の欄だけを書き換えるより、確認した日、変更した箇所、変更後の適用開始日を残す方法です。面談した日と、新しい内容を適用する日は分けて記録します。
更新時には、変更がなかった部分も含め、どの版が現在使う書面かを識別できるようにします。以前の版は更新の経緯をたどるための記録として区別し、現場で使う書面と混ざらない保管方法を決めておくとよいです。
指針は、健康診断又は本人からの申出により把握した健康情報について、取扱者の範囲や第三者への漏えい防止を含む適切な情報管理体制の整備が必要であるとしています。そのための書式上の工夫として、保管先と閲覧する担当を管理情報として残す方法があります。治療に関する詳しい情報と、業務上共有する決定内容を、誰がどこまで閲覧するかも確認点です。具体的な取扱いは社内の管理担当と専門家に確認します。
5.確認表
公開・共有の前に、この表で確かめます。
| 確認 | 確かめること |
|---|---|
| □ | 対象者と現在使う版を識別できるようにしたか |
| □ | 治療・通院の予定と会社の決定内容を分けて記入したか |
| □ | 本人の希望や検討中の案を、決定済みの欄と区別したか |
| □ | 措置・配慮の内容ごとに開始日・終了日を照合したか |
| □ | 面談・見直しの予定日時と担当者を記入したか |
| □ | 転記元と確認者、確認待ちの事項をたどれるようにしたか |
| □ | 保管先、閲覧範囲、更新後の版の扱いを確認したか |
6.自社の事務の手順まで形にしたいとき
ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。
自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、初回無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。
出典(確認日:2026年11月6日)
- 参考資料|治療と仕事の両立支援ナビ:様式例の位置付けと、事業場の実態に応じた加除修正
- 治療と就業の両立支援指針(参考資料との統合版):プランに盛り込む事項、見直し、健康情報の管理、プランの作成例
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