ストレスチェック後の面接指導の申出を受けたら何を連絡する?
要点
申出を受けたら、面接対象者であることを確認し、面接を行う医師を決め、日時・場所を調整します。本人への受付連絡、医師への依頼と資料準備、職場を離れる時間の連絡を分け、誰の返事を待っているかまで残すと、調整の途中で用件を見失いにくくなります。
この記事は、ストレスチェック後に面接指導の申出を受けた小さな会社の総務・労務の担当者が、対象の確認、医師への依頼、日時・場所の調整と連絡の記録を確かめる流れをまとめたものです。
公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月5日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。
例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。
1.受付では対象の確認と申出の記録をそろえる
厚生労働省の実施マニュアルは、ストレスチェック制度の実施が義務付けられている労働者数50人以上の事業場で参照できるよう構成されています。この記事は、労働者数50人以上の事業場で、実施者が面接指導を必要と認めた高ストレス者から申出を受けた場面を扱います。
参照する実施マニュアルは、表紙の最終改訂表記が令和3年2月の版です。その後の改正については、厚生労働省の制度案内が、令和10年4月1日から労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化されると案内しています。
対象者かどうかは、本人から結果の提出を受ける方法のほか、実施者に要件への該当の有無を確認する方法も示されています。受付担当が結果を読み直して対象者を選び直す扱いにはせず、社内で定めた確認経路に沿って取り次ぎます。
申出の方法について、実施マニュアルは書面や電子メール等で行い、その記録を5年間残すよう示しています。
2.日時・場所の調整は申出日を起点に進める
厚生労働省が掲載する関係法令の抜粋では、労働安全衛生規則第52条の16第2項で、対象の労働者から申出があったときは、遅滞なく面接指導を行うとされています。実施マニュアルは、申出があってから概ね1月以内に実施する必要があるため、医師と調整して日時を設定すると説明しています。
時間帯は原則として就業時間内に設定することが示されています。場所は、秘密が厳守されるよう配慮する必要があるとされています。
また、職場を離れることが想定されるため、実施日時等の情報は上司と共有しておく必要があるとされています。一方、就業時間内に面接指導を受ける際、その理由を伝えることが常に必要なわけではないものの、上司等の理解を得ておくことも重要と説明されています。
3.医師への依頼には勤務状況の資料を添える
ストレスチェック指針では、面接指導を行う医師に、労働時間、労働密度、深夜業の回数・時間数、作業態様や作業負荷など、勤務状況と職場環境に関する情報をあらかじめ提供するとされています。
資料の準備では、勤怠の記録と担当業務の説明を照合し、対象期間や記載した部署に取り違えがないかを見ます。原記録と説明が食い違う箇所は、都合のよい内容にそろえず、どこに違いがあるかを確認できる形にします。資料の所在、用意する担当、受渡し先を決めておくと、日程だけ決まって準備が止まる状態を避けやすくなります。
健康情報の扱いについて、関係法令の抜粋では、労働安全衛生法第104条第1項で、健康の確保に必要な範囲で収集し、収集目的の範囲で保管・使用することが原則とされています。
4.連絡管理表は相手と返事待ちを分ける
ここからは当社の整理です。
受付の返事では、受領したこと、調整窓口、次に何を連絡するかを短く伝えます。候補を探している段階と、本人と相手方の合意が取れた段階を区別すると、仮の予定が確定として伝わるのを防ぎやすくなります。
以下は、前節までの内容を踏まえて連絡を管理するための例です。会社ごとの担当の置き方に合わせて使うもので、提出用の様式ではありません。
| 段階 | 主な連絡先 | 担当者が整える内容 | 管理表に残すこと |
|---|---|---|---|
| 受領 | 本人 | 受領の返事、調整窓口、次の案内 | 受領日、返信先、次の連絡担当 |
| 依頼 | 担当する医師・委託先窓口 | 実施依頼、候補日時、用意する資料の相談 | 依頼日、回答待ちの相手、資料担当 |
| 日程確定 | 本人と実施側の窓口 | 確定日時、場所、当日の連絡先 | 双方の確認状況、案内を送った日 |
| 離席調整 | 職場の調整担当 | 職場を離れる時間と業務の引継ぎ | 共有した相手、共有した内容 |
| 変更対応 | 変更に関係する相手 | 変更点、新しい候補、再案内 | 変更前後の予定、再確認の状況 |
予定が変わったときは、元の案内を消すだけで済ませず、変更を伝えた相手と返事の有無を残します。医師側に伝えた予定と本人が理解している予定が一致しているかが、確定前に見る点です。
管理表の欄は連絡状況を追える範囲に絞り、相談の詳しい内容を書き足す場所にはしません。担当交代では、送信済みの記録に加え、まだ返事のない相手と次の連絡担当を引き継ぎます。受付から案内までの途中経過をたどれる形が、引継ぎの中心です。
5.対象や情報の扱いに迷ったら照会する
「こころの耳」の制度関係Q&Aは、高ストレス者の判定を自動で行っても、面接指導が必要かどうかは改めて実施者の判断が求められると説明しています。受付では、対象の確認が済んでいるかを確かめ、疑問点は実施者へ照会する流れにします。
厚生労働省の事業者向け案内では、産業保健総合支援センターが、ストレスチェック制度を含むメンタルヘルス対策の相談に対応すると紹介されています。
対象の確認や情報を渡す範囲で迷う場合は、上記の公式資料と申出の経緯を示し、専門家に確認します。照会する際には、分かっている事実と確認したい点を分け、回答後に誰が本人へ連絡するかまで決めておくとよいです。
6.確認表
公開・共有の前に、この表で確かめます。
| 確認 | 確かめること |
|---|---|
| □ | 受領した日と本人への返信先を記録したか |
| □ | 対象の確認方法と確認先を社内の取決めで確かめたか |
| □ | 担当する医師への依頼と日程の回答状況を確認したか |
| □ | 本人と実施側で日時・場所の認識がそろったか |
| □ | 必要資料の準備担当と受渡し先を決めたか |
| □ | 職場への共有内容を離席調整に必要な範囲に整理したか |
| □ | 申出の記録の保存先と変更時の連絡担当を確認したか |
7.自社の事務の手順まで形にしたいとき
ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。
自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、初回無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。
出典(確認日:2026年11月5日)
- 労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(表紙:令和3年2月改訂):対象の確認、申出記録、実施時期、日時・場所、上司との共有の説明に使用。
- 心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針(表紙:平成30年8月22:面接対象の確認経路と、医師にあらかじめ渡す勤務状況の情報の根拠に使用。
- ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策:小規模事業場への義務化の施行時期を確認し、古い資料の適用範囲を広げないために使用。
- ストレスチェック制度に関する法令:申出後の「遅滞なく」(安衛則第52条の16第2項)と健康情報の取扱い(安衛法第104条)
- ストレスチェック制度関係 Q&A(こころの耳/出典元:令和3年2月22日付):面接の必要性は実施者が判断するという説明に使用。
- 労働者数50人以上の事業者の方:実施マニュアルの掲載先と、公的な相談先の説明に使用。
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