退職金の源泉徴収票は誰に渡す?提出先と期限を公式資料で確認

要点

受給者への交付は退職後1か月以内で、すべての受給者が対象です。税務署への提出は原則として退職の日以後1月以内です。ただし、令和8年中に退職した受給者分は、令和9年2月1日までに取りまとめて提出できます。

公開:2026年11月4日/情報の確認日:2026年11月4日(出典はこの記事の最後)

この記事は、退職金を支払う小さな会社の担当者が、退職所得の源泉徴収票の交付先・提出先・期限を令和8年分の公式資料で確かめる流れをまとめたものです。

公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月4日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。

例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。

1.提出対象は過去の運用と分けて確認する

確認日:2026年11月4日。

国税庁の令和8年分手引は、「退職所得の源泉徴収票・特別徴収票」を第3章にまとめています。この手引きには令和8年9月18日に訂正版を掲載したという案内があります。

令和8年分の提出範囲は、令和8年中に支払が確定した退職手当等のすべてとされています。同章には、従来は法人の役員に対して支払う退職手当等だけが提出対象だったところ、提出範囲が拡大したと記載されています。

過去の控えは、社内で何を行ったかを知る手掛かりになります。ただ、以前と同じ対象者だけを抽出してから資料を読むと、変更点を見落としかねません。今回の対象範囲を先に読み、その後で控えと照らす順序が考えられます。

2.提出先と期限は宛先ごとに読む

税務署への提出先は、退職手当等の支払事務を取り扱う事務所・事業所などの所在地を所轄する税務署です。市区町村への提出先は、受給者の令和8年1月1日現在の住所地の市区町村です。

市区町村提出用については、eLTAXによる提出方法が整備されるまでの間、作成・提出を省略できると令和8年分手引に記載されています。タックスアンサーでも、令和8年1月1日以後に支払うべき退職手当等に係る特別徴収票は、当分の間、市区町村への提出を省略できると案内されています。

宛先欄が印刷されていることと、今回その宛先に送る必要があることは、別々に確かめます。省略する場合も、確認した資料と確認した日を作業記録に添えると、後任者が経緯をたどりやすくなります。本人への交付、提出、提出を省略する扱いを、それぞれ独立した欄で管理するとよいです。

3.書類は用途別に作成し、番号の記載を確かめる

税務署提出用の退職所得の源泉徴収票等には、支払を受ける方等のマイナンバーまたは法人番号を記載する必要があります。受給者交付用には、マイナンバーおよび法人番号を記載しません。

「F1-2 退職所得の源泉徴収票(同合計表)」のページは、令和8年8月に税務署提出用の書面様式が変更されたことを案内しています。同ページでは、e-Taxソフトで調書と合計表を作成・提出する方法を案内しています。書面で調書と合計表を作成し、持参または送付で提出する方法も示されています。

作成を終えた後は、宛先と用途を照合してから送付する流れにします。担当者が保存している控えをそのまま複製する場合も、渡す相手に合う内容かを見直す工程を置くとよいです。

4.準備・交付・提出を別々に記録する

ここからは当社の整理です。

作業の管理表では、作成済みの印だけで完了にしない形にします。準備した人、内容を確かめた人、送った人が同じでも、どこまで進んだかを区別して残すと、未処理の作業が見えやすくなります。

作業の段階担当の置き方作業する時点用意するもの・残す記録
対象を整理する支払情報を集める担当着手時対象者の一覧、日付の根拠となる資料、確認待ちの点
使用する書類をそろえる作成担当入力前掲載元から取得した様式、参照した資料、確認した日
本人へ渡す交付担当予定した交付日交付用の書類、渡した日、渡した方法
提出・省略の扱いを残す提出担当と確認担当処理を終えた時提出用の書類、提出先、提出日、処理結果、省略の確認根拠

管理表には、期限の確認に使った日付がどの資料に書かれているかも添えます。退職に関する日付と支払に関する日付が複数ある場合は、担当者の判断で置き換えず、元の資料を残したまま確認待ちにします。期限欄の空白が、まだ確認していないためか、今回の処理がないためかも区別すると、未処理と省略の扱いを混同しにくくなります。

これは社内で進捗を分けるための管理案です。予定した日と実際に処理した日を別欄にし、差があれば事情も記録します。確認待ちの項目には、質問を渡した相手と回答待ちの内容を添えると、担当交代の際も作業を引き継ぎやすくなります。

5.通常と異なる支払は、資料を添えて専門家に確認する

国税庁の案内では、死亡退職により退職手当等を支払った場合は「退職手当金等受給者別支払調書」を提出するため、この源泉徴収票等の提出は不要とされています。

非居住者への支払についても、国税庁の案内に別の帳票と提出条件を扱う項目があるため、該当する扱いを専門家に確認します。

個別の支払がどの扱いに当たるか、計算や区分をどう整理するかは、関係資料をそろえて専門家に確認します。回答を受けるまでは、確認済みの事実と質問中の内容を分けておくとよいです。問い合わせの際は、対象者、退職に関する日付、支払に関する日付、作成中の書類をまとめ、どこまで確認したかを伝えます。

回答後は、質問した内容と回答の要旨を作業記録に残します。次回も同じ回答をそのまま使う前提にせず、前提となる事情や資料の版が変わっていないかを確かめる運用が考えられます。この記事では交付先・提出先と時点の確認を扱い、退職時の手続き全般や税額の計算には踏み込みません。

6.確認表

公開・共有の前に、この表で確かめます。

確認確かめること
□対象者の一覧を、今回確認した資料の対象範囲と照合したか
□使用する手引きの年分と訂正の案内を確認したか
□交付用と提出用を分け、宛先を確かめたか
□それぞれの期限と社内で処理する予定日を分けて記録したか
□渡す相手に合う番号の記載になっているかを確認したか
□提出した日、または省略の扱いを確認した根拠を残したか
□判断が必要な点を専門家に確認し、回答を記録したか

7.自社の事務の手順まで形にしたいとき

ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。

自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、初回無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。

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