法定調書の提出漏れが見つかったら?追加する書類と提出履歴の残し方
要点
国税庁の令和8年分の手引(給与所得の源泉徴収票等の法定調書)では、提出漏れがあった場合は、追加する調書と追加分の合計表を作成し、合計表には追加箇所だけを記載する手順が案内されています。社内では、漏れた対象と提出済みの控えを照合し、今回提出した内容と受付の記録を結び付けて残します。個別の扱いは専門家に確認します。
この記事は、法定調書の提出漏れに気づいた小さな会社の経理・総務の担当者が、追加で出す書類と提出の記録を確かめる流れをまとめたものです。
公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月3日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。
例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。
1.漏れた分か、出した内容の誤りかを切り分ける
国税庁の手引は、提出した法定調書の誤りを直す手順と、提出漏れの法定調書を追加する手順を分けています。
ここからは当社の整理です。
最初に、今回見つかった書類が過去の提出内容に含まれていたかを、作成用の一覧と提出済みの控えで照合します。支払先の一覧に名前があることと、提出した内容に含まれることは、別に確かめる点です。
前に作った資料があるだけで作業を進めると、その資料が提出前の下書きか、実際に提出した控えかが分かりにくくなります。元の提出内容を確認する人と、今回の追加内容を作る人が違う場合は、参照したファイルを共有しておくとよいです。
この手引には、令和8年9月18日に訂正版が掲載されています。以前保存した資料を利用する際も、掲載元を開き直し、今回使う資料をそろえてから作成に入ります。
2.追加する調書と合計表の記載をそろえる
確認日:2026年11月3日。以下は、掲載中の手引で確認した記載方法です。
追加する法定調書は、「無効区分」欄を「0(ゼロ)」とし、「摘要」欄に「追加分」と記載します。合計表は、追加分とした法定調書の支払金額等を記載し、「調書の提出区分」欄を「2」(追加)とします。合計表に記載するのは、追加箇所のみです。作成担当者は、対象者ごとの内容と集計した内容が対応しているかを照合します。元の提出分を混ぜて集計していないかも、確認する場所です。
書面で税務署に提出する法定調書は様式が変更されており、国税庁ホームページからダウンロードした最新の様式を使う案内です。前回の控えは照合する材料として残し、今回提出する書類のひな形とは分けて扱うとよいです。
数字を集計し終えてから対象を決め直すより、追加する対象の一覧を先にそろえ、その一覧から集計結果へたどれる形にします。確認中に対象が変わったときは、変更前の集計結果をそのまま提出用に使わないよう、確認待ちの状態を明記します。
3.送信する内容も追加分だけでそろえる
確認日:2026年11月3日。利用する画面に対応した公式手順を参照します。
e-Taxでも、法定調書と法定調書合計表を作成し、追加分だけの内容である人員・支払金額等を入力して送信します。送信前は、入力の完了だけでなく、照合した追加対象と送る内容が一致しているかを確認する段取りです。
e-Taxソフトの公式手順には、「前回の受付番号」と「前回の受付年月日」を入力する画面があります。前回の提出でe-Taxを利用していない場合や、前回受付番号等が不明な場合は、その入力を省略できるとされています。入力を省略することと、社内で元の提出との対応を残すことは分けて考えるとよいです。番号が分からない状態で進めた場合も、どの控えと照合したかを記録しておきます。
e-Taxソフト(WEB版)の公式手順では、「追加分を提出される方」を選び、年分を入力します。手元の画面と案内の画面が合わないときは、使っている環境を確認してから該当する操作案内を開きます。別の画面のボタン名を、そのまま当てはめる進め方は避けます。
4.元の控えと今回の受付を結び付けて残す
e-Taxでは、メッセージボックスに格納される受信通知により、送信したデータが税務署へ到達したこと等を確認できます。受信通知には、氏名又は名称、提出先税務署、受付日時、受付番号、申告した税目等が表示されます。国税庁は、e-Taxソフトまたはe-Taxソフト(WEB版)から、メッセージボックスの受信通知をPDFファイルでダウンロードできると案内しています。
社内の記録方法
提出した内容の控えと、受付を確かめた記録は、相互にたどれる形にします。元の提出済みの控えを上書きせず、今回の追加分を別に保存すると、後から経緯を確かめやすくなります。
| いつ | 誰が担うか | 用意するもの・残すこと |
|---|---|---|
| 漏れを見つけたとき | 発見した担当者 | 発見日、対象の書類、発見のきっかけ、照合する元の控え |
| 作成に入る前 | 元の提出内容を確認する人 | 提出済みの対象と、今回追加する対象の区別 |
| 提出前 | 内容を確認する人 | 対象の一覧と集計結果の対応、確認日、確認者、保留中の点 |
| 提出したとき | 提出を担当する人 | 提出した内容の控え、提出日、提出先、提出方法 |
| 受付を確かめたとき | 結果を確認する人 | 受付を確認した記録、その保存先、残っている対応 |
作成と確認を同じ人が担う場合も、作業の状態を「作成中」「確認待ち」「提出済み」「受付確認済み」と分ける方法があります。送る準備が整ったことを、受付まで終わったこととして記録しないためです。
保存先には、元の控えと今回の控えがそれぞれどこにあるかを残します。引き継ぐ人がファイル名だけで判断せず、記録から対象と提出内容を照合できる程度の説明があるとよいです。
5.迷う点は、確認材料と一緒に渡す
国税に関する相談には、各国税局に設置された電話相談センターの案内があります。どの取扱いを確認したいのか、元の提出内容と今回見つかった内容を分けて整理しておきます。
専門家に確認する際は、対象の書類、照合した控え、発見した経緯、まだ判断できていない点をまとめます。提出済みの内容の誤りも見つかった場合は、今回追加しようとしている対象と区別して伝えると、確認したい範囲が明確になります。
期限を過ぎている場合の扱いや、そもそも提出が必要かどうかは、担当者だけで判断を進めず、専門家に確認します。確認後は、回答を得た日、確認した相手、対象にした内容を残し、提出作業の記録からたどれるようにします。
6.確認表
公開・共有の前に、この表で確かめます。
| 確認 | 確かめること |
|---|---|
| □ | 元の提出済みの控えと、今回漏れていた対象を照合したか |
| □ | 内容の誤りを直す対象と、追加する対象を区別したか |
| □ | 今回追加する書類と集計結果が対応しているか確認したか |
| □ | 追加する対象に、元の提出分が混ざっていないか確認したか |
| □ | 提出した内容の控えと、受付を確認した記録の保存先を残したか |
| □ | 未解決の点について、確認する相手と次の対応を記録したか |
7.自社の事務の手順まで形にしたいとき
ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。
自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、30分の無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。
出典(確認日:2026年11月3日)
- 第9章 法定調書の訂正・追加について:提出漏れと訂正の区別、追加する調書と合計表の記載
- 「令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」の訂正について:訂正版の掲載日
- 第1章 法定調書の提出期限等について:書面提出時に使う最新の様式
- e-TaxのQ&A:データ送信後に提出漏れの法定調書が見つかった場合の追加分の送信:追加分だけの人員・支払金額等を送信
- 追加分の法定調書を作成・送信する場合(e-Taxソフト):前回の受付番号・受付年月日の入力と省略できる場合
- パソコンを利用して追加分の法定調書を作成・送信する場合の手順(e-Taxソフト(WEB版)):追加分の選択と対象年分の入力
- e-Taxを利用して申告等データを送信した場合、税務署の受付日時等はどのように確認できますか。:受信通知による到達確認、表示される受付情報
- No.9211 申告書等の確認方法:受信通知のダウンロード
- 税についての相談窓口:国税の電話相談窓口
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