中退共の退職手続き|会社の退職届と本人へ渡す書類を整理する

要点

中退共の事業主向けの案内では、会社は「被共済者退職届」を中退共本部へ送り、「退職金(解約手当金)請求書」の事業主記入欄を記入した「退職金共済手帳」を、退職した従業員に渡します。退職金の請求手続きは、手帳を受け取った従業員(死亡の場合は請求人となる遺族)が行うため、会社の届出と本人の請求は分けて進めます。

公開:2026年11月5日/情報の確認日:2026年11月5日(出典はこの記事の最後)

この記事は、中退共に加入している従業員が退職する小さな会社の担当者が、被共済者退職届の送付と退職金共済手帳の受け渡しを分けて確かめる流れをまとめたものです。

公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月5日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。

例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。

1.会社の届出と手帳の交付は別々に進める

中小企業退職金共済法第37条では、被共済者が退職したとき、共済契約者は遅滞なくその旨を機構へ届け出なければなりません。同法第35条第2項は、退職したときには、やむを得ない理由がある場合を除き、遅滞なく退職金共済手帳を被共済者又はその遺族若しくは相続人に交付しなければならないと定めています。

中退共の事業主向けの案内では、「退職金共済手帳」の2枚目に綴じてある「被共済者退職届」に、退職年月日、退職事由、従業員の住所などの必要事項を記入し、従業員の退職日が決まり次第、書留郵便又は特定記録郵便等ですみやかに中退共本部保全課へ送るよう示しています。掛金は退職した日の属する月分まで納付し、退職月の翌月分以降の掛金が引き落とされた場合は、後日、事業主の預金口座に返されるとしています。

ここからは当社の整理です。届出が済んだか、本人に渡すものが揃ったかを、それぞれ確かめる進め方にするとよいです。送った事実だけで一連の作業を閉じず、渡した事実も担当者間で共有します。

2.本人へ渡す前に請求書の会社側の欄を埋める

同じ案内では、「退職金共済手帳」の3枚目「退職金(解約手当金)請求書」の右上にある事業主(共済契約者)記入欄を記入し、「被共済者退職届」を切り離した後の手帳3枚を、退職した従業員(死亡の場合は請求人となる遺族)に渡して、退職金請求手続きを行うよう伝える流れが示されています。「退職金請求の手続き(従業員用)」の案内を請求書に添えて渡すことや、支払いの準備ができると中退共から請求人へ「退職金等支払のお知らせ」で支払金額と振込予定日が知らされることも、同じページにあります。

渡す前の確認は、会社が記入する箇所に空欄が残っていないか、手元の書類が本人のものか、渡す予定を本人と共有できているかに絞ります。本人に渡すものと、会社から送るものを同じ封筒にまとめず、用途が分かる状態で準備すると、担当者が交代しても続きを追いやすくなります。

本人へ説明する際は、会社側で終えた作業と、本人がこれから進める作業を分けて伝えます。「書類を用意した」という連絡だけで終わらせず、何を渡し、どの案内を見ながら進めるかまで共有しておくとよいです。

3.電子申請の案内では紙の扱いも確認する

中退共の案内では、電子申請用の被共済者退職届はe-Govに掲載されています。e-Govの退職届出の案内では、指定の「被共済者退職届PDF」を使い、紙の退職届を撮影又はスキャンしたものは使用しないよう求めています。この電子申請で退職を届け出た場合、手帳内の「被共済者退職届」は提出不要で、手帳から切り取って破棄する案内です。

中退共からの指示がある場合を除き、申請者の判断による申請書類の一部郵送は受け付けないとされています。また、e-Gov画面の「手続終了」は書類の受領が完了したことを示し、審査まで終了したことを意味しません。

使う方法に合わせて、提出するもの、手元に残すもの、本人へ渡すものを先に整理します。案内の一部分だけを切り取って、別の方法の書類にも同じ扱いを当てはめないようにします。

4.送付と引渡しを別々に残す事務の進め方

以下は担当者間の引継ぎに使う管理方法の例です。社内で「対応済み」とだけ記録すると、書類の準備、発送、本人への受渡しのどこまで終わったかが見えなくなります。作業の区切りごとに、担当と次の動きを記録します。

進める場面担当用意するもの・確かめること残す記録
退職の予定が固まったとき総務担当対象者の書類、退職の予定、連絡方法確認した内容と担当者
会社から送る前作成担当と確認担当記入内容、送付する分、本人へ渡す分確認者、送付日、送付の控え
本人へ渡すとき引渡し担当渡す書類のまとまり、今後の案内引渡日、渡したもの、受領の確認
担当が交代するとき元の担当と引継ぎ担当送付・引渡しの状態、問い合わせ中の点残っている作業、次の担当

本人への連絡がつかず渡せていないときは、「準備済み」と「引渡し済み」を分けて残します。送付の作業が済んでいても、未引渡しの欄が残っていれば、後任はそこから対応を再開できます。

記録には、書類そのものを何度も転記するより、保管場所と担当者を残す方法が向きます。問い合わせた内容も、質問、回答、次に行うことをひとまとまりにしておくと、同じ点を聞き直す手間を抑えられます。

5.紛失や個別の事情は通常の引渡しと分けて確認する

手帳を紛失したときは、共済契約者、被共済者その他退職金等の支給を受ける権利を有する者は、遅滞なくその旨を機構に届け出なければなりません。また、退職時に被共済者が共済契約者の同居の親族であるときは、退職の届書に追加書類を添付しなければなりません。中退共の案内では、退職者が同居の親族の場合、「被共済者退職届」の他に、同居の親族に係る確認書(チェックシート・様式14-(2))、労働条件確認書(様式16)、賃金の支払いがあったことを確認できる書類(賃金台帳の写し等)を提出するとしています。

本人又はその遺族若しくは相続人から、退職金等の支給を受けるために必要な証明書の請求があった場合、会社は遅滞なく交付しなければなりません。

こうした事情があるときは、普段の引継ぎの欄に埋め込まず、問い合わせ中の項目として残します。書類の取扱いは公式の案内・窓口で確かめ、労務・税務や受給に関する個別の判断は専門家に確認します。担当者は、相談に必要な経緯と手元の書類を揃え、判断を受けた後の作業を引き継げる状態にしておきます。

6.確認表

公開・共有の前に、この表で確かめます。

確認確かめること
□会社から送る分と、本人へ渡す分を区別したか
□対象者と退職に関する記載を突き合わせたか
□会社が記入する箇所の空欄を確認したか
□選んだ提出方法の案内と、紙の扱いを照合したか
□被共済者退職届を送った方法(追跡できる郵便か電子申請か)と送った日を記録したか
□送付した日と、本人へ渡した日を別々に記録したか
□紛失や個別の事情を、問い合わせ先とともに引き継いだか
□未了の作業と、次の担当者を明らかにしたか

7.自社の事務の手順まで形にしたいとき

ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。

自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、初回無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。

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