労災の未支給給付を遺族が請求するとき会社が渡す記録と確認点

要点

会社は、元の請求書控えと対象期間、会社が保管する勤怠・賃金の記録をまとめて渡すとよいです。死亡前に本人が請求していなかった分は、元の給付の請求に必要だった書類その他の資料も添えることとされています。

公開:2026年11月5日/情報の確認日:2026年11月5日(出典はこの記事の最後)

この記事は、労災の未支給給付について遺族から相談を受けた小さな会社の担当者が、元の請求の控え・対象期間・勤怠と賃金の記録をまとめて渡す前に確かめる流れをまとめたものです。

公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月5日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。

例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。

1.最初に、どの給付がどこまで進んでいるかを整理する

厚生労働省の「主要様式ダウンロードコーナー(労災保険給付関係主要様式)」には、未支給の保険給付支給請求書・未支給の特別支給金支給申請書として様式第4号が掲載されています。様式第4号は、未支給の保険給付の請求と未支給の特別支給金の申請を併記した書式です。

ここからは当社の整理です。会社内で探す資料は、最初の請求書だけでなく、その後の追加提出分や照会への回答も含めて整理するとよいです。資料を探す担当者と連絡を受ける担当者を決め、遺族が同じ説明を何度も繰り返さなくて済むよう、会社側の連絡内容をそろえます。

未支給の保険給付を請求しようとする者は、請求書を所轄労働基準監督署長へ提出しなければなりません。

2.本人が請求していなかった分は、元の資料も必要になる

様式第4号の裏面では、死亡前に保険給付を請求していなかったときや特別支給金を申請していなかったときは、死亡・身分関係等の書類に加え、本人が請求・申請するときに提出しなければならなかった書類その他の資料も添えるよう求めています。

休業補償給付などの様式第8号には、賃金を受けなかった日の日数を記載する欄があります。

このため、会社からは請求書の完成品だけでなく、記載内容をたどれる元の記録も一緒に渡す準備をします。控えが見つからない箇所を記憶で埋めず、保管場所と確認の状況を整理しておくと、追加の照会を受けた際にも探し直しを減らせます。

3.会社が渡す資料は、期間と提出状況を対応させる

次の表は、社内で保管資料を集めて引き継ぐための整理案です。法定の添付書類一式を示すものではありません。表の担当は社内の分担に合わせて置き換え、資料の所在を明らかにします。

誰が・いつ用意する記録引き継ぐ内容
総務・相談を受けた時点元の請求書控え、追加提出した書類の控え書類名、提出した日、提出先、会社の連絡担当
総務・控えを集めた後対象期間ごとの進み具合をまとめたメモ提出済み、作成途中、会社では把握していない部分の区別
勤怠担当・対象期間を照合する際出勤簿、休業の記録、勤務時間の記録書類上の期間と元の記録との対応
給与担当・勤怠記録と照合する際賃金台帳、給与計算の明細、支払の記録対象期間と支払内容をたどれる箇所
総務・引き渡す前会社が保管する通知の写し、照会と回答の控え通知の内容、追加対応の有無、遺族側に確認する事項

対象期間をまとめたメモと、根拠となる資料の写しを組み合わせます。記録を探す段階では、請求の対象になりそうな期間と、すでに提出した期間とを混同しないよう、書類に記載された開始日と終了日をそのまま控えます。進み具合を示す欄には「確認中」も使い、資料のない部分を空欄のまま引き継がない形にするとよいです。控えの対象期間と、賃金台帳の締め期間が異なる点も書き添えます。会社が把握した内容と、本人や遺族から聞いた内容は、記録の出所を分けて残します。

渡す前には、別の従業員の記録が混ざっていないかも点検します。引き渡した書類名、対象となる期間、渡した相手、渡した日を会社側に残し、後から追加した資料も同じ一覧へ追記します。総務と給与担当が別々に資料を渡す場面でも、共通の一覧へまとめると、渡し忘れや二重の送付を見つけやすくなります。

控えに訂正の跡がある部分は、どの書類が最後に提出されたものかを整理します。提出前の下書きと提出した控えを同じ束に混ぜず、添付した資料の名前も対応させます。会社側で原本を保管する資料は、渡した写しから保管場所をたどれるようにしておくとよいです。

4.期限は元の給付ごとに確かめる

厚生労働省の時効の案内では、未支給の保険給付・特別支給金の時効は、それぞれの保険給付と同じです。休業(補償)等給付は、賃金を受けない日ごとに請求権が発生し、その翌日から2年と示されています。

会社側の引継ぎでは、元の請求が済んでいるか、通知が届いているか、どの期間の書類が残っているかをそろえて窓口へ伝える準備をします。期限の相談を「死亡した日」だけで済ませず、対象の給付と元の期間が分かる記録を添えるとよいです。個別の時効の起算点や完成の有無は、窓口・専門家に確認します。

5.遺族側の証明と会社の証明を分けて引き継ぐ

添付資料には死亡の事実・死亡年月日を証明する書類が必要ですが、年金たる保険給付で所定の本人確認情報の提供を受けられる場合は例外があります。身分関係や生計同一の証明など、給付の種類に応じた添付資料の全体は、労働者災害補償保険法施行規則第10条に定められています。

保険給付を受けるべき者から、受給に必要な証明を求められた事業主は、すみやかに証明をしなければなりません。請求書の記載方法の確認先として、厚生労働省は労災保険相談ダイヤルや管轄の労働基準監督署を案内しています。

会社の担当者は、保管している記録、追加で探す記録、遺族側で確認する事項を分けて伝えます。請求する人の資格や順位、個別の書類の省略については会社で結論を出さず、公式資料を示して窓口・専門家に確認します。

6.確認表

公開・共有の前に、この表で確かめます。

確認確かめること
□元の請求書控えと追加提出分の所在を確認したか
□対象期間ごとの提出状況を整理したか
□勤怠と賃金の記録を対応させたか
□会社が保管する通知や照会の控えを探したか
□期限を相談するための元の期間と請求状況をそろえたか
□会社側の資料と遺族側の確認事項を分けたか
□引き渡した資料、相手、日を記録したか

7.自社の事務の手順まで形にしたいとき

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