年末調整の還付・追加徴収後、源泉徴収簿に何を記録する?

要点

国税庁のパンフレット「令和8年分 年末調整のしかた」では、超過額を徴収税額へ充当した内容や過納額を還付した内容を、源泉徴収簿の該当欄(㉘〜㉜)に記入するとしています。この記事では、担当者が専門家の確定した結果と実際の入出金を照合し、処理した月・金額・残額を追える形に整える流れを整理します。

公開:2026年11月4日/情報の確認日:2026年11月4日(出典はこの記事の最後)

この記事は、年末調整の還付や追加徴収を済ませた小さな会社の担当者が、源泉徴収簿の記入と実際の処理の照合を確かめるためにまとめたものです。

公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月4日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。

例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。

1.差額の記録と、精算した内容の記録を分ける

同じパンフレットでは、「差引超過額又は不足額㉗」欄に、超過額か不足額かを示して金額を記入する扱いです。そのうえで、超過額を徴収税額へ充当した内容や、過納額を還付した内容は、該当する㉘〜㉜欄へ記入します。

ここからは当社の整理です。差額が確定した時点と、実際に返したり受け取ったりした時点を分けて整理すると、記録を照合しやすくなります。担当者の照合作業では、計算結果の控えだけを見て処理済みとせず、支払いや控除の明細までたどります。計算のやり直しや税額の判断は専門家に確認し、記録担当者は、確定版と照合した内容を残す進め方です。

2.還付では、充当に回した分を見落とさない

パンフレットの注意事項では、本年最後の給与も通常どおり税額計算をしたうえで年末調整を行い超過額が生じた場合、その給与から徴収すべき税額を超過額から控除した残額を還付するとしています。また、未払給与を含む年末調整で生じた超過額から、その未払給与に係る未徴収の税額を控除した部分は、その給与を支払うときの徴収税額に充当されるとしています。

そのため照合のメモでは、「確定した差額」「支払いや控除に振り分けた額」「本人に返した額」を分けておくとよいです。金額が違って見えても、その理由を自分で補って記録を合わせる進め方は避けます。振り分けの根拠と支払明細を専門家へ示し、確認を受けた内容を記録に反映します。

3.追加徴収は、済んだ分と残った分を追う

国税庁の「令和8年分年末調整のしかた(手順などの説明)」のページでは、不足額は年末調整をする月分の給与から徴収し、なお残る不足額は、その後に支払う給与から順次徴収するとしています。パンフレットには、一定の場合に「年末調整による不足額徴収繰延承認申請書」を所轄税務署に提出して承認を受け、不足額を翌年1月と2月に繰り延べて徴収できる扱いも示されています。対象に当たるかどうかは専門家に確認します。

担当者の照合では、確定額、実際に控除した額、まだ処理していない額を区別します。控除前の予定だけで帳簿の記録を済ませず、処理済みの明細と突き合わせる流れです。予定どおりに控除できたか、別の月に処理が移ったかも、後から分かるようにします。

記録の根拠として残すのは、専門家から受け取った確定結果と、対象者別の処理内容をたどれる明細です。処理日、処理した月、担当者、参照した資料の保存先を添えると、後任者も確認に戻りやすくなります。残額の扱いに判断が要る部分は専門家に確認し、回答と対応の状況も整理します。

4.確定結果を受け取ってから記録を閉じるまで

照合に使う資料をそろえ、金額の確認から記録の更新までをつなげます。次の表は役割と確認時点の整理であり、法定の提出期限や保存期間を示すものではありません。

誰がいつ用意するもの確かめて残すこと
記録担当者確定結果を受け取ったとき専門家が確定した一覧、対象者の帳簿対象者、確定版の保存先、処理する内容
支払・控除の担当者処理が済んだとき支払明細、控除の明細実際に処理した日と月、金額
記録担当者帳簿を更新するとき確定結果と処理済みの明細振り分けた額、処理済みの額、残額
確認者照合を終えるとき更新した帳簿、照合のメモ金額の一致、未処理の有無、確認者
引継ぎを受ける担当者残額を引き継ぐとき残額の内訳、確認済みの対応内容次の担当者、対応予定、参照資料の保存先

同じ人が役割を兼ねる職場でも、「処理したこと」と「照合したこと」を分けて残すと、どこまで終わったかが読み取れます。記録の修正では、変更理由と確認を受けた相手も添えるとよいです。完成版の保存場所をそろえ、旧版と取り違えない名前に整えます。

資料の所在だけが分かっても、処理の途中経過は読み取れません。未処理の内容には次の担当者と対応予定を添え、処理済みの内容には根拠資料と確認者を添える整理です。引継ぎ先が、残っている対応から作業を始められる形にします。

5.残額や食い違いは、資料をそろえて確認する

国税庁の「令和8年分 年末調整チェック表」は、事務を終えた後の再確認にも使う資料です。ここでは、記録を閉じる前に公式の確認項目へ戻るために参照します。確定結果と明細が一致しない箇所は、対象者と資料の該当箇所を整理して、専門家に確認します。

同じページには、税務署へ還付請求を行う際、過納額を令和9年に繰り越して還付している場合は、令和9年分の源泉徴収簿の写しも併せて提出する案内があります。これは、令和8年分の過納額を令和9年に繰り越して還付している場合の案内です。パンフレットの精算に関する説明は記録内容の確認に、手順を説明した公式ページは、残額を引き継いだ際の資料の確認に用います。請求の要否や処理方法は専門家に確認します。

問い合わせのメモには、確定結果、処理済みの内容、残っている額、食い違う箇所をまとめます。回答を受けた後は、誰が記録を直し、誰が照合するかまで決めておくと、確認だけで作業が止まりにくくなります。

6.確認表

公開・共有の前に、この表で確かめます。

確認確かめること
□対象者と確定版の資料を照合したか
□計算上の差額と実際に処理した額を分けて確認したか
□充当に回した内容と本人に返した内容を照合したか
□追加で控除した月と金額を明細で確認したか
□処理済みの額と残額を追える形にしたか
□食い違う箇所を専門家に確認し、回答を記録したか
□更新した帳簿の保存先と残件の担当者を確認したか

7.自社の事務の手順まで形にしたいとき

ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。

自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、初回無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。

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