法定調書合計表を作る前にそろえる人数・件数と金額の根拠資料

要点

給与は受給者の実人数、報酬は個人・個人以外に分けた実人数を基に準備します。金額の根拠は総額側と提出分側を分け、元の明細に戻れる形で束ねるとよいです。集計前に範囲を確かめ、判断が必要な支払は専門家に確認します。

公開:2026年11月5日/情報の確認日:2026年11月4日(出典はこの記事の最後)

この記事は、法定調書合計表を作る前の小さな会社の担当者が、給与・報酬・不動産関係の人数と金額を何から数え、どの明細をそろえて専門家へ確認するかをまとめたものです。

公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月4日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。

例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。

1.集計を始める前に対象年分と使う資料をそろえる

確認日:2026年11月4日(日本時間)。

令和8年分の手引は、令和8年8月1日現在の法令に基づいて作成されています。国税庁は同じ手引について、令和8年9月18日に訂正版を掲載したと案内しています。保存済みの控えを使い始める前に、対象年分と入手元を照合しておくとよいです。

手引が示す法定調書の提出期限は令和9年2月1日です。税務署に提出する際は、作成した法定調書と合計表を併せて提出する案内です。ここでは提出先を探す手順ではなく、入力する合計の裏付けを用意する作業に絞ります。

2.給与は実人数と前職分の有無を分けて見る

給与の人員欄は、丙欄適用の日雇労務者を除いた実人数で、通常は作成した源泉徴収簿の枚数と対応します。納付書に記載した人員の累計を、そのまま給与の人員欄に記載しないよう注意書きがあります。担当者別の明細から同じ人の重複を確認できるようにし、支払回数を合計した数字とは分けておきます。給与には、源泉徴収税額がゼロの方の人数を記載する欄もあります。

給与の総額側の支払金額と源泉徴収税額には、中途就職者が就職前に他の支払者から受けた給与等と徴収税額を含めません。一方、税務署へ源泉徴収票を提出するものの欄には、その前職分も含めて記載する扱いです。自社分と前職分の内訳が分かる資料を用意し、合計が違う理由をたどれる状態にします。

また、源泉徴収票のみなし提出の特例により、市区町村へ給与支払報告書を提出して税務署へ給与所得の源泉徴収票を提出しない場合は、合計表の給与欄は記載不要です。自社で記載する欄の確認を、資料集めより先に専門家と済ませておくとよいです。

3.報酬・不動産関係は人数と金額の明細を対応させる

合計表では、報酬等の区分ごとの支払金額・源泉徴収税額をそれぞれ記載します。同じ支払先が別の名義で重複していないかを見られる一覧と、内容別の内訳を組み合わせます。

報酬等の支払調書は、令和8年中に支払の確定したものが対象で、源泉徴収されなかった報酬等や未払の報酬等にも記載漏れへの注意が示されています。入出金の明細に加え、契約書、請求書、未払の内訳を用意すると、確認する相手が金額の根拠を探しやすくなります。

不動産の使用料等の支払調書では、支払を受ける者の氏名・名称などを契約書等で確認し、管理会社へ賃料等を払っている場合も、記載する相手は管理会社ではなく物件の所有者とされています。振込先名だけで人数をまとめず、契約上の相手を照合できる資料も集めます。

不動産等の譲受けの対価の支払調書には、その年中に支払の確定した金額を未払分も含めて記載します。不動産売買等のあっせん手数料も、支払の確定した金額を未払分も含めて支払内容ごとに記載する扱いです。それぞれの契約と支払内容が対応する形で明細を分けます。

総額欄については、給与、報酬、不動産関係などに、実際に提出する源泉徴収票や支払調書だけを記載しても差し支えない旨の注記があります。総額側をどの範囲で集めるかを先に確認し、採った範囲を明細の表題にも残しておくとよいです。

4.社内で集める資料と確認を頼む順番

ここからは当社の整理です。

資料集めの依頼では、合計を出すだけでなく、何を数えた数字か、どの明細を足した金額かを一緒に受け取ります。提出用の完成データだけでは、除外した支払や名義の重複を後から調べにくくなります。元の明細を残し、集計に使った範囲と、判断を保留した行を区別します。

用意する時点担当を割り当てる作業集める資料の候補引き渡す際に残すこと
集計を頼む前取りまとめ担当が範囲を確認する対象期間と支払の種類の一覧、使用する様式入手元、対象範囲、確認する相手
人数を数える前各明細の担当が名義を照合する人ごと・支払先ごとの明細、契約上の相手が分かる資料名寄せの方法、重複を除いた理由
金額をまとめる前支払担当が内訳をそろえる支払一覧、契約書、請求書、未払の内訳元資料の保管先、含めた範囲、含めなかった範囲
仕上げを頼む前確認担当が集計表と内訳を突き合わせる集計に使った明細、提出予定分の控え、質問の一覧差額の理由、確認した相手、回答日

名寄せは表記を機械的にそろえるだけで終えず、同じ相手と扱った根拠を残します。振込先と契約上の相手が違うもの、担当部署によって別名で管理しているものは、原資料を添えて確認に回すとよいです。

集計結果を渡す際には、完成した合計と元明細を同じ場所から開けるようにします。確認待ちの行を無言で除外せず、何の回答が来れば集計を確定できるかを記録しておくと、引き継ぎ後も作業を再開しやすくなります。

5.退職分や集計差額は根拠を添えて専門家に確認する

手引によると、退職所得の源泉徴収票は、令和8年分以降、提出省略範囲の規定が廃止され、すべての居住者に支払う退職手当等に係るものが税務署への提出対象になっています。合計表の退職分も、総額側と提出分側の両方に、退職手当金等の支払を受けるすべての受給者を記載する案内です。前年の控えを使う際も、対象者の選び方を流用せず、今回の支払明細を専門家と確認します。

提出義務の判定や税額計算は、上記の手引と自社の原資料を示して専門家に確認します。質問をまとめる際は、支払の内容、契約上の相手、金額の内訳、迷っている欄を並べると、確認したい点が伝わります。合計が一致しないときも、理由を確かめる前に数字を合わせず、差の生じた明細を残しておくとよいです。

6.確認表

公開・共有の前に、この表で確かめます。

確認確かめること
□使用する資料の対象年分と入手元を照合したか
□今回記載する欄と、集計する範囲を確認したか
□人数・件数が何を数えた数字かを明細から説明できるようにしたか
□総額側と提出分側の内訳をそれぞれたどれるようにしたか
□契約上の相手と振込先の違い、未払の内訳を確認したか
□判断を要する支払を専門家に確認し、回答と集計への反映を記録したか

7.自社の事務の手順まで形にしたいとき

ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。

自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、初回無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。

出典(確認日:2026年11月4日)

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