給与を払い始める事務所の届出はいつ?提出先と記載事項を確認
要点
国内で会社が給与の支払を始めて源泉徴収義務者となる場合は、「給与支払事務所等の開設届出書」を事務所の開設から1か月以内に提出します。提出先は、給与を支払う事務所などの所在地を所轄する税務署長です。
この記事は、給与の支払を始める小さな会社の担当者が、給与支払事務所等の開設届出書の提出期限と提出先、提出方法、主な記載欄を確かめる流れをまとめたものです。
公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月6日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。
例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。
1.期限の起点は、給与を払う事務所の開設日
国税庁の手続案内が対象とするのは、国内で給与等の支払事務を取り扱う事務所等を開設、移転、または廃止した給与等の支払者です。提出時期は、開設・移転・廃止の事実があった日から1か月以内です。
開設した日と、支払を始める日を分ける
記載要領では、開設した月中に給与の支払が始まらない場合、「給与支払を開始する年月日」欄に支払開始日または開始予定日を記載します。
記入を進める前に、事務所を設けた経緯と、支払の予定を整理しておくとよいです。社内の担当者が違う日を想定していないか、元の資料を並べて確かめます。日付の意味が曖昧なまま、届出の下書きだけを先に完成させない進め方です。
2.提出先は所在地、移転時は移転前を確認する
開設・廃止の提出先は給与支払事務所等の所在地の所轄税務署で、移転の場合は移転前の事務所等の所在地の所轄税務署です。
電子で出す方法と、書面で出す方法
電子での提出は、e-Taxソフトで届出書を作成・提出する方法が案内されています。e-Taxを初めて利用する場合は、利用者識別番号の取得が必要です。書面で作成する場合は、届出書を提出先に持参または送付します。同じ案内では、令和8年10月1日から全ての税務署で、総合窓口の受付時間を原則として午前9時から午後3時までとしているとされています。
提出する人と下書きを作る人を分けるときは、どの方法で提出するかも引き継ぎます。下書きが完成しただけなのか、提出まで終わったのかを、記録の上で区別しておくとよいです。
3.記載欄は、開設者・変更内容・支払対象者で読む
手続案内のページに掲載されている記載要領から、主な欄の書き方を取り上げます。
「事務所開設者」には、住所または本店所在地、氏名または名称、個人番号または法人番号を記載し、法人の場合は代表者氏名も記載します。外国法人の場合、本店所在地は国外の本店所在地を記載します。
「届出内容」の「届出書種別」欄には、該当する届出区分の数字を記載します。「届出の内容及び理由」欄には、該当する区分の数字を記載します。
名称変更など届出事項に異動があった場合は、「その他の内容」欄に異動した届出事項を記入し、「給与支払事務所等について」欄に異動の内容を記載します。
「従事員数」は、給与等を支払う職種別の人数を記載します。「役員」「従業員」以外は、「その他」欄の「区分」に職種を書き、その人数を記載します。「税務署整理欄」は記載しません。
欄名が似ていても、開設者に関する情報と、給与を支払う事務所に関する情報は、分けて照合します。元の資料のどこから転記したかを下書きの確認用メモに残すと、修正時にも戻る場所が分かります。
4.準備から提出済みの記録までをつなぐ
ここからは当社の整理です。
次の表は、担当の割り振りと引き継ぎを整理したものです。
| 段階 | 誰が | いつ | 何を用意し、残すか |
|---|---|---|---|
| 経緯の整理 | 総務など事情を把握する担当者 | 下書きを始める前 | 事務所を設けた経緯、関係する日付、支払の予定をまとめたメモ |
| 転記元の準備 | 経理と総務 | 記入に取りかかる前 | 名称・所在地・代表者・支払対象者について照合できる資料 |
| 下書きの確認 | 作成者と内容を確かめる人 | 提出の手配前 | 転記元との相違、空欄にした理由、専門家への質問 |
| 提出の手配 | 提出を担当する人 | 社内で決めた作業日まで | 提出する版、提出先、提出方法、担当者名 |
| 完了の記録 | 提出を担当した人 | 提出後 | 実際に提出した内容の控え、提出日、提出の状況が分かる記録 |
少人数の事務では、同じ人が準備から提出までを担当することもあります。その場合も、記入を終えた時点と、提出を終えた時点の記録を分ける形なら、後から進み具合を追えます。
修正した下書きが複数残るときは、提出する版を明示します。確認を頼む相手には、未記入の欄だけを渡すよりも、記入済みの内容と質問をまとめて渡すとよいです。回答を受けた後に誰が直すか、誰が提出するかまで決めておきます。
提出後の控えは、担当者だけが知っている場所に置かず、引き継ぎ先からもたどれる場所を決めておくとよいです。提出先や日付を探すために、完成前の下書きを開き直す手間も避けられます。
5.迷う欄は、経緯と質問をそろえて専門家に確認する
国税庁のタックスアンサー番号2502は、国税に関する相談先として「税についての相談窓口」を案内しています。
個別の届出の要否や、どの日を開設日として扱うかの判断は、専門家に確認します。質問する際は、事務所の所在地、事務を始めた経緯、支払の予定、下書きで迷っている欄をまとめます。記入方法の質問と、自社への当てはめの質問を分けると、回答後に何を修正するかが整理しやすくなります。
6.確認表
公開・共有の前に、この表で確かめます。
| 確認 | 確かめること |
|---|---|
| □ | 事務所を設けた経緯と、関係する日付を整理したか |
| □ | 支払開始の予定と、事務所を設けた日を分けて確認したか |
| □ | 提出期限の起点と、社内の作業日を確認したか |
| □ | 事務所の所在地に基づく提出先と、提出方法を確かめたか |
| □ | 転記元の資料と記入内容を照合し、迷う欄は専門家に確認したか |
| □ | 提出する版と担当者を決め、提出後の控えと記録の置き場を共有したか |
7.自社の事務の手順まで形にしたいとき
ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。
自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、初回無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。
出典(確認日:2026年11月6日)
- A2-7 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出:対象、提出時期、開設・移転・廃止の提出先、電子・書面の提出方法
- 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書の記載要領等:給与支払開始日の記入条件、開設者情報、届出区分、異動内容、従事員数、記入しない欄
- 源泉徴収義務者とは(タックスアンサー番号2502):新たに給与の支払を始める会社の開設届、開設からの期限、提出先、相談窓口
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