調剤録と処方箋はどう対応させる?記録と原本をつなぐ保管の単位

要点

調剤録と処方箋は、必要事項がどこに記録されているかを確かめて対応させます。必要事項が記載された調剤済みの処方箋や薬剤服用歴等で、調剤録の規定を満たす扱いがあります。保管では、元の処方箋と関連記録の所在を相互にたどれるように整理します。

公開:2026年11月4日/情報の確認日:2026年11月4日(出典はこの記事の最後)

この記事は、調剤録と処方箋の保管や引き継ぎを受け持つ小さな薬局の事務担当者が、薬剤師が記入した記録と原本の対応・保管の単位・保存期間の改正の確認先を確かめる流れをまとめたものです。

公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月4日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。

例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。

1.処方箋に残す内容を先に確かめる

薬剤師法第26条は、調剤した薬剤師が処方箋に調剤済みの旨、調剤年月日などを記入し、記名押印または署名をすることを定めています。その調剤によって処方箋が調剤済みにならなかったときは、調剤済みの旨に代えて調剤量を記入する規定です。

薬剤師法施行規則第15条には、調剤した薬局等の名称・所在地も記入事項として掲げられています。処方箋を交付した医師等の同意を得て医薬品を変更した場合は変更内容を、疑わしい点を確かめた場合は回答内容を記入する規定もあります。

ここでは、記入を終えた書類がどこへ渡り、どの関連記録と結び付くかを扱います。薬歴や指導内容の生成、薬学的な内容の判断は扱いません。

2.調剤済みの扱いと調剤録の記入事項を分ける

薬剤師法第28条第2項は、薬局で調剤した薬剤師が調剤録に所定の事項を記入することを定めています。施行規則第16条の原則の記入事項には、患者の氏名・年齢、薬名・分量、調剤と情報提供・指導の年月日、調剤量、担当した薬剤師の氏名、情報提供・指導の要点があります。さらに、処方箋の発行年月日、交付した医師等の氏名・住所または勤務先の名称・所在地、前節で触れた変更内容と回答内容も記入事項に含まれます。

ただし、その調剤により処方箋が調剤済みとなった場合は、患者の氏名・年齢、調剤と情報提供・指導の年月日、担当した薬剤師の氏名、情報提供・指導の要点の記入で足りるとされています。

ここからは当社の整理です。保管担当者の確認では、記入漏れのように見える箇所を自己判断で補うのではなく、記録を確認する薬剤師へ戻す手順を用意するとよいです。

3.帳票の名前より必要事項の記録場所を見る

厚生労働省の服薬指導等の記録に関する通知(令和2年8月31日)では、調剤録などについて、必要事項を記載した調剤済みの処方箋または薬剤服用歴等で規定を満たすとしています。同通知は、調剤録の記録内容を服薬指導等のために必要なときに速やかに確認できるようにしておくことも求めています。

引き継ぐときは、帳票の名称だけを一覧にするよりも、「必要な項目はどの記録のどの場所にあるか」を示すほうが、確認する人の手掛かりになります。記録を別に保管している場合も、片方を探した人が関連する原本へ戻れる道筋を残すとよいです。要件を満たすかどうかは、公式資料を示して専門家に確認します。

4.原本から関連記録へ戻れる対応表にする

保管の単位は、受け付けた原本と、それに基づく調剤・記入の経過を結び付けて考えます。同じ患者の書類というだけでまとめず、どの原本に基づく記録なのかが追える目印を設ける方法です。検索のための目印と、記録そのものの中身は分けて管理します。

次の表は、原本と関連記録の対応表の例です。

流れ元の記録・書類対応表に残す手掛かり引き継ぎ先・保管先
受け付ける処方箋の原本受付時の管理番号、原本を置いた場所受付から記録を確認する薬剤師へ
記入後に照合する薬剤師が記入した処方箋と関連記録対応する管理番号、関連記録の所在、確認状況確認後に保管担当者へ
途中の経過を残す同じ原本に基づく追加の記録元の管理番号との関係、未完了の内容、確認を待つ相手完了したものと区別できる場所へ
保管後に取り出す原本と対応する記録原本の保管先、記録の参照先、持ち出し後の戻し先保管担当者から閲覧する人へ

この表の管理番号は、薬局内で対応を探すための目印の案です。法定の番号や帳票の様式を示すものではありません。既存の受付番号を使う運用では、原本と関連記録が別の案件へ結び付かないかを確かめます。

保管用の束に未確認の書類を混ぜると、次の担当者が確認済みと受け取るおそれがあります。「原本の所在を確認中」「薬剤師の確認待ち」など、残っている作業と戻す相手が分かる状態を残すとよいです。完了した書類を探す道筋と、作業途中の書類を追う道筋を分けると、引き継ぎで確かめる対象が明らかになります。

5.保存の起点と施行前の改正を取り違えない

薬剤師法の処方箋の保存規定は、調剤済みとなった日を起点にしています。調剤録の保存規定は、最終の記入の日を起点にしています。現在の条文では、どちらの保存期間も三年間です。e-Gov 法令検索の令和9年5月20日施行の時点の条文では、令和7年法律第37号による改正で、どちらも五年間とされています。

令和8年9月30日の整備省令の公布通知では、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則についても、療養の給付に関する処方箋・調剤録の保存期間を、完結の日から3年間から5年間へ改める内容が示されています。同通知が示す整備省令の施行日は、令和9年(2027年)5月20日です。施行日前に完結した療養の給付に関する処方箋・調剤録の保存期間には、従前の例による経過措置があります。

保管場所を決める際は、受付の時点だけでなく、原本と関連記録の状態を確認できる情報を残します。保存年限の個別判断や廃棄日の算定は扱いません。迷うときは、原本の種類、調剤済みの扱い、最終の記入状況、保管方法をそろえ、公式資料を示して所管の窓口や専門家に確認します。確認した相手と回答を引き継ぎに残すと、次の担当者が同じ前提で保管を続けられます。

6.確認表

公開・共有の前に、この表で確かめます。

確認確かめること
□原本から対応する関連記録をたどれる目印を決めたか
□必要事項がどの書類・記録にあるかを薬剤師と確認したか
□記入内容の確認を待つ書類と、確認を終えた書類を区別したか
□原本と関連記録それぞれの保管先を記録したか
□追加の記入や未完了の作業を、次の担当者が追えるようにしたか
□保存期間を確認するための状態と、専門家への確認事項をそろえたか

7.自社の事務の手順まで形にしたいとき

ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。

自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、初回無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。

出典(確認日:2026年11月4日)

関連する記事・ページ

このページの確かめ方は、情報の確かめ方と更新の方針にまとめています。

Contact

まず、初回無料相談でお話ししませんか。

初回無料相談(1社1回)。オンライン、または滋賀県内は訪問。時間は90分ほどを目安にしています。事前に伺った1業務を、その場で実演します。デモの準備について。法律相談は受けません。

vaynexis177@gmail.com·090-1079-0692·平日 10:00–18:00

無料相談を申し込む