重説用の水害ハザードマップはどこで確認し、何をどう保存する?

要点

重説用の水害ハザードマップは、対象物件のある市町村のホームページから入手できます。社内の引継ぎ用には、入手した地図に加え、公表元・地図の版・確認日・対象物件を対応づけた記録と、位置を示した説明用資料をまとめて保存するとよいです。

公開:2026年11月4日/情報の確認日:2026年11月4日(出典はこの記事の最後)

この記事は、重要事項説明に使う水害ハザードマップの入手と保存を受け持つ小さな不動産会社の事務担当者が、公表元・地図の版・確認日・物件の位置をつなげて記録し、説明担当者へ引き継ぐ流れを確かめるためにまとめたものです。

公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月4日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。

例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。

1.探す入口と、説明に使う地図を分ける

「わがまちハザードマップ」には、市町村の地図へのリンクがあります。一方、「重ねるハザードマップ」に掲載される情報は関係機関が作成した災害リスク情報であり、水防法に基づいて市町村が作成した水害ハザードマップではありません。

公表されている地図が水防法に基づくものか不明な場合、公式FAQは各市町村への問い合わせを案内しています。このFAQは、検索の入口と説明に使う原資料を取り違えないために参照しています。

ここからは当社の整理です。探す段階では、物件のある地域、公表元、地図の題名を手元の記録にそろえておきます。担当者が変わっても、どのページから入手した資料かをたどれる状態が目標です。

2.最新の地図と、物件が載る範囲をそろえる

国土交通省の掲載ページは、「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」の令和8年4月1日以降に使う版を案内しています。この記事では、その本体を地図の入手方法と説明対象の範囲を確認するために参照しています。

同本体では、物件のある市町村の配布物、またはそのホームページ等から印刷した地図を用い、電磁的方法で重要事項説明書を提供する場合はダウンロードしたものを用いるとされ、いずれも入手可能な最新のものが対象です。説明では、水防法に基づく対象物件の位置を含む地図を洪水・内水・高潮のそれぞれについて提示し、その概ねの位置を示すとされています。

地図を取りそろえる際は、題名だけでそろったと判断せず、対象物件の位置が載る図面と、その図面を読み取るための凡例を一緒に確認するとよいです。大きな地図を一部だけ切り出す場合も、元の資料と対応するページを残しておくと、後から照合しやすくなります。

3.公表元・地図・説明用資料をつなげて保存する

保存は、後任が同じ資料を開き、同じ物件の位置を確認できることを目的に組み立てます。取得元の地図と、位置を追記した説明用資料は分けて置くと、どこを担当者が加筆したかも確認しやすくなります。以下の表は、社内での保存項目を決めるための整理です。

元の記録対応づける資料・項目引継ぎ先に残すもの
対象物件の管理情報物件の管理番号、所在地、地図上で確認した場所地図と物件を結びつける記録
公表元の掲載ページ自治体名、ページの題名、掲載ページのURL、取得先のURL入手経路が分かる記録
入手した地図地図の題名、対象範囲、作成・改訂時点の表示、該当ページ入手時の原資料と凡例
閲覧・入手時の記録確認日、入手日、確認した担当者いつ誰が確認したかの記録
位置を示した資料元の地図との対応、加筆箇所、確認担当者説明用資料と確認の履歴
問い合わせの記録問い合わせ先、照会した内容、回答、未解決事項後任が確認を続けられるメモ

確認日は「担当者が資料を見た日」、地図の版は「地図に表示された作成・改訂の時点」として欄を分けます。閲覧した日付を地図そのものの作成日として書かない形です。公表ページの更新表示も別欄にしておけば、日付の意味が混ざりにくくなります。

資料に版の表示が見当たらないときは、推測した年月を埋めず、表示を見つけられなかった状況を記録します。保存ファイル名と管理表の名称をそろえ、原資料、説明用資料、確認メモを物件の記録からたどれるようにします。

4.説明に回す前に、資料の対応を見直す

入手担当者から説明担当者への引継ぎでは、集めたファイルを渡すだけでなく、物件と図面の対応を確認した人が分かるようにします。地図の表紙だけでなく、該当する図面を開いて位置を照合できる状態にするとよいです。確認する担当者と、資料を説明担当者へ渡す社内の締切も、案件の予定に合わせて記録します。

説明の準備を進める時点で公表ページを再び開き、保存済みの資料と掲載内容を照らし合わせます。差し替えた場合は、使う資料を明示し、以前の資料と取り違えない置き方にします。説明後の記録には、どの資料を使用したかも結びつけておくと、後から経緯を追いやすくなります。

確認が済んだ箇所と、照会が残る箇所は分けて渡します。未解決の内容を空欄にしてしまうと、後任は確認済みなのか判断できません。「何が不明か」「どこへ確認中か」「誰が回答を受け取るか」を残すことが、引継ぎの中心です。

5.地図が見つからないときは、照会内容を残す

国土交通省の令和2年7月17日現在のQ&Aは、市町村のホームページに掲載がない場合には、その市町村の担当窓口へ問い合わせるよう案内しています。このQ&Aは、地図を見つけられないときの確認先を示すために参照しています。

令和8年4月1日施行版の本体では、市町村への照会で、対象物件の位置を含む地図の全部または一部が作成・配布・掲載等されていないことが確認された場合について、提示すべき地図がない旨を説明する扱いが示されています。

検索で見つからなかった状態と、公表元への照会で状況を確認した状態は、記録上も分けておくとよいです。照会メモには、対象物件、探している地図、回答された範囲を残します。単に「地図なし」とまとめず、回答を受けた内容に沿って担当者へ渡します。

個別の説明義務への対応や契約上の判断は、上記の公式資料を示して専門家に確認します。被災確率や取引の安全性はこの記事では判断せず、資料をそろえる作業に範囲を絞っています。

6.確認表

公開・共有の前に、この表で確かめます。

確認確かめること
□対象物件と、公表元の掲載ページを対応づけたか
□地図の題名・対象範囲・版の表示を確認したか
□公表元の掲載内容と、保存した地図を照合したか
□確認日と、地図の作成・改訂時点を分けて記録したか
□入手時の原資料と、位置を示した説明用資料を対応づけたか
□照会先・回答・未解決事項と、確認を続ける担当者を記録したか
□説明に使う資料と、社内の引継ぎ期限を確認したか

7.自社の事務の手順まで形にしたいとき

ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。

自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、初回無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。

出典(確認日:2026年11月4日)

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