障害者の解雇届を出すと決まったら、必要な事実と提出先を確認する
要点
届出を行う前提が確認済みなら、必要な記載事項をそろえ、勤務先事業所を管轄する公共職業安定所の長へ速やかに届け出ます。担当者は、確定した内容と、その内容を確認した資料・担当者を対応させ、記載の食い違いを提出前に解消しておくとよいです。
この記事は、障害者解雇届を出すことが決まった小さな会社の担当者が、施行規則の記載事項と提出先のハローワークを確かめ、確定した内容を書面に移す流れをまとめたものです。
公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月5日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。
例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。
1.提出先は、勤務先事業所の所在地から確認する
ここでは、解雇の有効性と届出義務の有無について専門家への確認を終え、書面を準備する段階を扱います。担当者の役割は、判断済みの内容を集め、記載内容の裏付けと提出先をそろえることです。
障害者の雇用の促進等に関する法律第81条第1項は、労働者の責めに帰すべき理由により解雇する場合その他厚生労働省令で定める場合を除き、事業主に届出を義務付けています。届出義務の根拠となる条文ですが、個別の事情への当てはめは専門家に確認する範囲です。
障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則第42条が定める提出先は、当該労働者の雇用に係る事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長です。厚生労働省の「従業員が離職する際に必要な措置」も、勤務先事業所を管轄するハローワークへの書面の提出を案内しています。
ここからは当社の整理です。社内で手続きをまとめる担当者の勤務場所と、対象となる方の勤務先が違うときは、勤務先の名称・所在地を先に整理します。本社宛てに集まった資料でも、対象の勤務先がどこかを読み取れる形にしておくと、照会時の説明がしやすくなります。担当者の都合で近い窓口を選ぶ前に、対象となる勤務先を基準に照合する進め方です。
2.「速やかに」の届出に向け、記載事項をそろえる
施行規則第42条の届出時期は「速やかに」であり、届書を提出しなければなりません。また、厚生労働省の案内は、解雇しようとする場合に、その旨を速やかに届け出るよう示しています。
本人に関する記載事項は、氏名、性別、年齢及び住所です。仕事に関する記載事項は、解雇する方が従事していた職種です。解雇に関する記載事項は、解雇の年月日及び理由です。本人情報、仕事内容、解雇に関する決定内容という順で、手元の資料と照合できるようにします。
担当者が受け取る資料には、決定前の予定や修正前の説明が混在することがあります。転記元には、記載内容を確認した日と、確認した相手を添えておくとよいです。資料間で表記が違う箇所は、いずれかを推測で選ばず、確認待ちとして担当者へ戻します。
とくに年月日と理由は、書面に空欄を残さないためだけに補うものではありません。確定した内容を持つ担当者から、転記してよい文面を受け取る進め方にします。理由を短く書き直す際に意味が変わるおそれがあれば、その要約も確認対象です。日付や理由が変わった場合は、以前の記載との違いが分かる状態で照合し直します。
3.社内では、情報を持つ人と転記する人をつなぐ
事務を進める際は、誰が情報を持ち、誰が書面に反映し、誰が最終確認するかを決めます。少人数で兼務する場合でも、「記載の根拠を確定する役割」と「転記が合っているかを見る役割」を意識すると、確認先を探す手間を減らしやすくなります。
次の表は社内での役割分担の例です。
| 準備する段階 | 情報を持つ人 | 担当者が受け取るもの | 書面へ移す前に見る点 |
|---|---|---|---|
| 決定内容の受け渡し | 決定に関わった責任者 | 確認を終えた内容と、その確認記録 | 未確定の案が混ざっていないか |
| 本人情報の照合 | 人事情報を管理する人 | 本人情報の確認に用いた資料 | 記載の食い違いがないか |
| 仕事の確認 | 所属部門の責任者 | 実際に担当していた仕事の説明 | 肩書だけの説明になっていないか |
| 窓口への照会準備 | 提出を担当する人 | 対象の勤務先と、質問したい事項 | 別の勤務先の資料が混ざっていないか |
| 提出前の確認 | 決定内容を確認できる人 | 記入済みの書面と転記元 | 修正内容が書面に反映されているか |
収集用のメモと提出用の書面は区別します。収集用には確認相手や資料の所在も残し、提出用には提出先の案内に沿った内容を記載する進め方です。社内で集めた資料を、そのまま提出書類として扱わないことも大切です。
4.書式の確認と、専門家へ戻す内容を分ける
厚生労働省の案内では、これらの事項を記載する書面として「障害者解雇届」(Excel形式)が掲載されています。書面の準備では、掲載元から書式をたどり、実際に使用するものについて提出先の案内と照らし合わせます。
窓口を探す入口として、厚生労働省の「ハローワーク」ページにある「全国のハローワークの所在案内」から都道府県別の案内へ進めます。照会に向けて、対象の勤務先の所在地と、記載内容について聞きたい点を手元にまとめます。受付部署、提出方法、部数や添付する資料の扱いは、照会事項として整理しておくとよいです。回答は、どの勤務先の届出について確認したものかが分かるように記録します。
施行規則第41条が定める除外は、天災事変その他やむを得ない理由のために事業の継続が不可能となったことによる解雇です。除外に当たるかどうかを事務担当者が独自に判断せず、公式資料を示して専門家に確認する扱いにします。
すでに確認済みでも、準備中に新しい事情が分かったり、受け取った理由と確認済みの理由が異なったりしたときは、その違いを伝えて確認し直します。窓口には書面や受付に関する疑問を、専門家には個別事情の判断に関する疑問を、具体的な事実とともに伝えると整理しやすくなります。
5.提出に使った内容と、後の修正を追えるようにする
提出に使用した書面、転記元、照会への回答を対応させて残します。保存する目的は、後から「何を根拠にこの記載にしたか」を説明できるようにすることです。担当者が交代しても、記載内容と確認経緯を追えるまとまりにするとよいです。
提出したことを示す記録も、手元の下書きと区別します。提出後に誤りが見つかったときは、どの記載をどう直すかを整理してから、提出先に訂正方法を確認する流れです。新しい内容で上書きするだけでなく、確認した相手と修正の経緯を残しておくと、社内での説明にも使えます。
6.確認表
公開・共有の前に、この表で確かめます。
| 確認 | 確かめること |
|---|---|
| □ | 届出を行う前提と、確認済みの判断内容を担当者間で共有したか |
| □ | 対象となる方の勤務先の名称と所在地を照合したか |
| □ | 記載に使う本人情報と、その確認元をそろえたか |
| □ | 実際に従事していた仕事を確認したか |
| □ | 解雇の年月日と理由を、確定した内容と突き合わせたか |
| □ | 提出先に聞く事項と、専門家へ戻す事項を整理したか |
| □ | 提出に使用した書面と、照会・修正の経緯を残す準備をしたか |
7.自社の事務の手順まで形にしたいとき
ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。
自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、初回無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。
出典(確認日:2026年11月5日)
- 障害者の雇用の促進等に関する法律:第81条は、届出義務と除外について述べた文の根拠です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則:第41・42条は、除外、提出先、届出時期、記載事項について述べた文の根拠です。
- 従業員が離職する際に必要な措置:「障害者を解雇する場合」は、勤務先の管轄、届出時期、書式の掲載について述べた文の根拠です。
- ハローワーク:「全国のハローワークの所在案内」は、都道府県別の窓口案内への進み方について述べた文の根拠です。
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