介護の一体的実施計画書は誰の情報を集める?作成につなぐ事務

要点

介護の一体的実施計画書(公式の様式名は「リハビリテーション、栄養、口腔に係る実施計画書」など)は、各取組に係る専門職が情報を共有し、協働して計画を作成する際に用いることができる様式です。事務担当者は、元の記録、確認した人、確認待ちの箇所をそろえます。空欄や食い違いは担当者へ戻し、評価や目標を補って埋めないことが作業の軸です。

公開:2026年11月5日/情報の確認日:2026年11月4日(出典はこの記事の最後)

この記事は、介護事業所でリハビリテーション・栄養・口腔の一体的な実施計画書の作成を支える事務担当者が、誰が確認した情報を集め、食い違いを照会し、作成側へ渡して保管するまでの流れをまとめたものです。

公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月4日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。

例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。

1.使う様式と情報の受け手を先にそろえる

確認日:2026年11月4日

厚生労働省の「令和6年度介護報酬改定について」のページには、リハビリテーション・機能訓練、栄養、口腔の一体的取組に関する通知が掲載されています。掲載されている様式は、リハビリテーションか個別機能訓練か、通所系か施設系かによって分かれています。

この通知は令和6年3月15日付です。通知では、医師、歯科医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、歯科衛生士等による一体的な取組が望ましいとされています。この列挙を、そのまま書類の回覧順に置き換えるのではなく、事業所内で誰がどの情報を確認するかを決めてから収集を始めるとよいです。

2.本人の希望と領域ごとの評価を分けて受け取る

厚生労働省の介護保険最新情報Vol.1217には、通知とともに、リハビリテーション・栄養・口腔に係る実施計画書(通所系)などの様式が収載されています。掲載されている通所系のリハビリテーション・栄養・口腔に係る実施計画書には「本人の希望」欄があります。リハビリテーションの評価日を記す欄も設けられています。

聞き取りの記録と専門職が評価した記録は、確認元を分けて受け取ると、後から照会しやすくなります。本人が望んでいることを、事務担当者の言葉で達成目標へ書き換えるのは避けます。記録のどこを見れば希望が分かるのか、評価を誰に確認できるのかを添えて渡す形です。

通知は、各取組の情報を記載した上で、多職種が共通課題を抽出し、共通目標を設定してケア内容に反映する流れを示しています。そのため、収集段階で分からない箇所を見つけても、事務担当者が評価や目標を作成するところまでは扱いません。

3.元の記録から確認担当へつなぐ表を用意する

ここからは当社の整理です。

収集用の表には、集める情報と、その内容を確認できる人を組にして置きます。資料が届いたことと、計画作成に使える内容として確認されたことは、別に記録するとよいです。

集める情報元の記録の例内容を確認する人の例次に渡すときに添えること
本人の希望本人への聞き取り記録聞き取りを行った担当者本人の言葉と担当者の補足の区別
基本情報利用開始時に確認した記録基本情報の管理担当者同じ利用者の記録か、変更が反映されているか
動作や生活の評価担当する専門職が確認した評価記録評価した専門職評価した時点と、確認済みの範囲
食事に関する情報食事の記録と専門職の確認結果食事の記録担当者、管理栄養士等観察した内容と専門的な判断の区別
口の状態に関する情報観察記録と担当者の評価記録観察した職員、担当する専門職状態を確認した時点と、照会が必要な箇所
共通して検討する内容各担当者からの確認結果計画を作成する関係者意見が一致した点と、調整が残る点

たとえば食事の記録が届いていても、専門職への確認が残っていれば、受領済み・内容確認待ちの扱いにします。未着の資料と分けておけば、再送を頼む相手と、内容を照会する相手を取り違えにくくなります。

元の記録を移し替える際は、記録名だけでなく保管場所も添えます。担当者が交代したときに、転記した情報の出どころをたどれる状態にしておくためです。収集用の表には必要な範囲だけを記し、詳しい内容は元の記録で確認できる形にします。

4.食い違いは消さず、照会先と返答を残す

同じ利用者について異なる記載が見つかった場合、事務担当者の推測で片方を採用しない運用にします。まず、記録された時点、確認した人、何についての記載かを比べます。状態が変わったための違いなのか、記載の誤りなのかは、その情報を確認した担当者への照会事項です。

照会する際は、どの記録のどの箇所が食い違っているかと、計画作成側が何を確認したいかを短くまとめます。返答を受けたら、回答者と確認した内容を残し、修正後の情報を計画作成側へ渡します。口頭で返答を受けた場合も、内容を記録して相手と確認しておくとよいです。

確認待ちの箇所は、未記入のまま見失わないよう一覧に残します。引き継ぎ時には、現在の担当者、返答待ちの相手、次に連絡する時点が分かる状態を目指します。専門的な内容の返答がないまま、空欄を埋めて完成扱いにする流れは避けます。

5.作成後に渡すものと保管するものを分ける

厚生労働省の「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.7)」では、各別紙様式と各加算の様式の詳細な対照項目を別紙で示しています。この対応関係を根拠に、対象事業所で必要な提出物や算定の可否まで事務担当者が決めることは、この記事の範囲に含めません。

作成側へ渡すときには、確認済みの資料と照会が残る資料を区別し、どこまでそろったかを伝えます。その際、作成後の書類を誰に渡すか、説明などに使った後でどこへ戻すかも、受け手と合わせておくとよいです。

期限は、資料を集める締切、内容を確認する締切、作成側へ渡す締切に分けて担当者と調整します。保管時は、元の記録、確認への返答、完成した書類の所在が結び付く形にします。変更後の書類ができたときは、どれを現在使うかを明確にし、古い控えを再び回さない運用にするとよいです。

手続の判断が必要な場合は、対象の書類と上記の公式資料を添えて、所管の窓口・専門家に確認します。ケア目標、専門評価、加算の可否を事務側で補うことはせず、判断を担う人へ返すところまでを引き継ぐ形です。

6.確認表

公開・共有の前に、この表で確かめます。

確認確かめること
□使用する様式と対象の利用者を、計画作成側と確認したか
□本人の希望の確認元と、聞き取りを行った担当者を把握したか
□各領域の記録について、評価した時点と確認担当をそろえたか
□資料の未着と、受領後の内容確認待ちを分けて記録したか
□食い違いの照会先、返答、調整が残る箇所を引き継いだか
□収集・確認・引き渡しの期限と、作成後の受け手・保管場所を合わせたか

7.自社の事務の手順まで形にしたいとき

ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。

自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、初回無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。

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