記帳を外注している会社の電子帳簿|データと保存場所の確認

要点

国税庁の一問一答の問20は、会計事務所や記帳代行業者に委託することは認めたうえで、課税期間終了後にまとめて記帳する委託と、記帳代行業者の所在地を保存場所にすることは認められないとしています(確認日:2026-11-03)。当社の整理では、外注先には、受け取るデータの中身・形式・受取時期を確かめ、社内では保管先と出力を確認する担当者を決めるとよいです。外注先が保管しているという回答だけで終えず、自社側で表示・印刷・データの取り出しを確かめる段取りまで整理します。保存方法の適否は、公式資料と現在の運用を照らして専門家に確認します。

公開:2026年11月3日/情報の確認日:2026年11月3日(出典はこの記事の最後)

この記事は、記帳を会計事務所などに外注している小さな会社の担当者が、受け取るデータの形式と、保存場所での表示・印刷を確かめる流れをまとめたものです。

公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月3日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。

例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。

1.外注する作業と、自社が確かめることを分ける

参照するのは、国税庁の案内ページに掲載されている令和8年7月版の「電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】」です(確認日:2026-11-03)。

同庁の取扱通達は、国税関係帳簿書類に係る電子計算機処理を会計事務所や記帳代行業者に委託している場合も、保存義務者が主体となってその責任において行うことに含まれるとしています。

ここからは当社の整理です。

外注先への質問は、「記帳を依頼しているか」から「何を、どの状態で受け取れるか」へ具体化します。納品される帳簿の名前、対象の期間、データの形式を聞き、回答を社内の保管先と結び付けると、受け渡しの範囲が見えやすくなります。

担当者の手元にある報告資料と、日々の記録をたどれるデータを、受領物の一覧で分けておくとよいです。「送ってもらった」という記録には、内容を確認した人と確認結果も添えます。依頼の窓口と受取後の確認担当を分けて考えると、誰かが確認しているはずという思い込みを避けやすくなります。

2.保存場所では、表示と印刷まで確かめる

問20は、記帳代行業者の所在地を帳簿の保存場所にすることは認められないと説明しています。

また、外注していてもデータを定期的に受け取り、保存場所で画面・書面に出力できるようにしておく必要があるとしています。

一方、問13は、保存場所で所定の状態により画面・書面へ速やかに出力できるときは、クラウドの利用や海外サーバの場合も、その場所で保存されているものとして扱うとしています。

この説明を踏まえた当社の確認方法として、データを置いている場所と、担当者が帳簿を表示・印刷する場所を分けてメモします。「外注先のサーバにある」という回答から、保存場所の扱いを自社で判断せず、専門家に確認するとよいです。

実務では、担当者が普段使う端末から帳簿を開き、文字や明細の欠け、印刷時の読みにくさを点検する流れが考えられます。外注先の担当者だけが開ける状態なのか、社内でも扱える状態なのかを、説明だけでなく確認結果として残します。接続できなかったときの連絡先も、同じメモに添えると引き継ぎに役立ちます。

3.受取形式は、閲覧用と取り出せるデータを確認する

問21は、ダウンロードの求めに応じることができるようにしておく場合の提出について、税務職員が確認可能な状態で提出することを前提に、通常出力可能なファイル形式等としてCSV形式等を挙げています。

問22には、記帳代行業者がPDF形式のデータに加え、検索性等を備えたCSV形式のデータも提供し、ダウンロードの求めに応じられるようにする対応例があります。

当社の受取確認の進め方としては、閲覧するための資料と、記録を取り出せるデータについて、それぞれ提供されるものを尋ねます。形式名だけで確認を終えず、どの帳簿のどの期間を含むか、受取側で開けるか、記録をたどれるかまで確認するとよいです。

渡されたファイルと、外注先が説明した内容が食い違う箇所は、質問事項として分けて残します。表示の仕方が分からない箇所と、受領物自体に含まれていない箇所を区別すると、追加で依頼する内容が明確になります。受け取った形式だけを理由に要件を満たすと判断せず、公式資料を示して専門家に確認します。

4.受取時期と担当を、外注先とすり合わせる

問20は、データの還元を受ける「定期的」を通常の入出力の業務処理サイクルと説明し、課税期間終了後にまとめて記帳する委託方法は認められないとしています。

この説明を受けた当社の整理では、受取時期は外注先の処理の流れと、自社が確認するタイミングを並べて調整します。以下は担当の分け方の例であり、法定の期限を示すものではありません。

役割いつ用意するもの・確かめること
社内の依頼窓口依頼内容を見直すとき対象の帳簿、受取形式、処理の区切りをまとめた一覧
外注先の担当処理の区切りに合わせて対象期間を明示した受領物と、修正した箇所の連絡
社内の受取担当データを受領したとき一覧との照合、保管先への格納、開けるかの確認
社内の確認担当受取確認を終えたとき表示・印刷・取り出しの確認結果と、解決していない質問
社内の責任者担当や委託先が変わる前過去のデータへのアクセス方法と、引き渡しの窓口

受領後に修正の連絡が来たときは、変更後のファイルだけでなく、何が変わったかを対応するメモに残す運用が考えられます。未回答の質問は、受取済みの印と混ぜずに管理すると、次の担当者も状況を追いやすくなります。

5.引き渡し後の記録を残し、迷う点は専門家に確認する

受取確認の記録には、受領物の名前、対象期間、保管先、確認担当、外注先からの回答をまとめます。確認できたことと、回答を待っていることを分けておくと、担当交代のときも説明のやり直しを減らせます。

委託先の変更や契約の終了を考える段階では、過去の記録を受け取る方法、受取後に開くために必要なもの、問い合わせ先を早めにすり合わせるとよいです。日々の受取手順と終了時の引き渡し手順を、同じ保管先で参照できるようにする進め方が考えられます。

専門家に確認するときは、「外注しています」と伝えるだけでなく、受領物の一覧、保管先のメモ、出力の確認結果、外注先の回答をそろえます。公式資料の該当箇所と自社の状態を並べることで、保存方法のどこに判断が必要かを相談しやすくなります。

6.確認表

公開・共有の前に、この表で確かめます。

確認確かめること
□外注先から受け取る帳簿と、その対象期間を一覧にしたか
□閲覧用の資料と、記録を取り出せるデータの受取形式を確認したか
□データの保管先と、表示・印刷する場所を分けて整理したか
□社内の担当者が表示・印刷・取り出しを確認したか
□受取時期、確認担当、未回答の質問の管理方法を整理したか
□担当や委託先が変わる際の引き渡し方法を確認したか
□保存方法の適否について、公式資料と現在の運用を示して専門家に確認したか

7.自社の事務の手順まで形にしたいとき

ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。

自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、30分の無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。

出典(確認日:2026年11月3日)

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