旅行中の事故報告書には何を集める?旅程と現地連絡の整理

要点

旅行中の事故報告の準備では、対象の旅行を特定できる旅程と参加者の記録に、現地で確認された状況、連絡相手、対応の経過を結び付けます。集めた情報には確認元と確認時点を添え、報告担当者へ渡す内容と、回答を待つ内容を分けるとよいです。書類の空欄を埋めるために、原因や被害を推測して補わない扱いにします。

公開:2026年11月5日/情報の確認日:2026年11月5日(出典はこの記事の最後)

この記事は、旅行中の事故の報告に向けて情報を集める旅行会社の事務担当者が、様式の欄と現地からの連絡・対応の経過をそろえる流れをまとめたものです。

公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月5日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。

例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。

1.使う様式は、事業者の区分と提出先を合わせて選ぶ

確認日:2026年11月5日。

大阪府の案内の申請対象者は、既に大阪府知事登録を受けている旅行業者、旅行業者代理業者及び旅行サービス手配業者です。掲載されている書類は「事故発生報告書(旅行業者・旅行業者代理業者用)」と「事故報告書(旅行サービス手配業者用)」です。

観光庁の「旅行業法における各種様式」には「第7号様式(事故発生報告書)」が掲載されています。

大阪府が掲載している旅行業者・旅行業者代理業者用の「事故発生報告書」(第4号様式)には、事故の区分(航空機事故・その他の交通事故・火災・犯罪被害など)、参加人数(旅行者と添乗員)、旅行期間、旅行種別、被害者名、発生日時(現地時間と日本時間)、発生状況、被害状況、被害者の収容先、旅行業者の対応状況、報告先の欄があります。 同じ様式の注記は、被害者が複数にわたる場合は別紙を追加し、不明な箇所がある場合は「不明」と記載したまま、適宜報告するよう求めています。

ここでは、報告担当者に対象の旅行と現地の確定情報を渡す準備を扱います。様式を用意する担当と、記載内容を確認する担当を決め、提出先の案内と自社の区分を照合してから取りまとめに入る流れです。

2.旅程のどの場面か分かる記録をそろえる

ここからは当社の整理です。

旅行の名称だけでなく、出発から帰着までの日程、参加者の記録、現地で利用する宿泊先や移動の手配記録を対応させます。対象の旅行を担当している人が不在でも、どの旅程のどの場面について連絡を受けたのか分かる状態が目安です。

手配後に日程や利用先が変わっていることもあります。当初の予定と現地で実際に取った行動は書き分け、変更の連絡や現地から届いた記録を添えるとよいです。事故の場所を予定表から推定して転記せず、現地で確認された場所と照合する工程を置きます。

参加予定者の一覧と、その場にいた人の情報も区別します。途中で別行動になった人や旅程を変更した人について、予定上の記録だけで現地の状況を確定させないためです。確認できた範囲を示し、照合を頼む相手を残します。

次の表は社内で情報を集める流れの例で、提出様式の記入欄や必要な添付書類を示すものではありません。

元の記録取りまとめる内容確認する担当の例報告担当者へ渡す形
旅程表と変更の連絡対象の旅行、予定していた行程、変更後の行程旅行の手配担当対象箇所を示した旅程の控え
参加者の記録と現地の確認参加予定者と、その場にいた人の対応参加者を把握する担当照合済みの範囲と確認待ちの一覧
現地からの連絡と写真確認された場所、状況、確認元現地との連絡担当受信記録と説明を対応させた控え
利用先や関係先との連絡相手、伝えた内容、受けた回答手配や連絡を受け持つ担当やり取りの経過と参照先
対応を記録したメモ実施済みの対応、進行中の対応、今後の予定対応を取りまとめる担当経過を追える引継ぎメモ

集めた記録には保存先も添えます。口頭で伝えた情報についても、元の連絡をたどれるようにすると、別の担当者が文章を整える際に確認し直せます。

3.現地の連絡は、発生時点と確認時点を分けて残す

連絡メモでは、事故が起きた時点、現地で状況を確認した時点、社内が連絡を受けた時点を分けます。後から届いた情報ほど新しいとは限らないため、受信した順番だけで状況を判断しない整理が大切です。海外の連絡では、時刻が現地と国内のどちらを指すかも併記すると照合しやすくなります。

相手の所属や役割、折り返しの連絡先、直接確認した情報か伝聞かを残します。参加者の所在や被害についても、誰がどこまで確認したかを添えます。「連絡が取れていない」と「被害を確認した」は別の状態として扱い、情報が届いていない部分を確定した説明へ置き換えない運びです。

写真は受け取った順に並べるだけでなく、どの場所や場面の説明に対応するかを示します。撮影した時点が分からないものには確認先を付け、文章の裏付けとして扱える範囲を報告担当者とそろえるとよいです。

連絡先が複数あるときは、現地の情報を受ける人と社内へまとめて伝える人を決めておきます。同じ質問を別々の相手へ送った場合も、回答の対象が違わないかを見比べ、食い違いを消さずに取りまとめ担当へ渡します。

4.対応の経過と確認待ちを、引継ぎで途切れさせない

実施した対応、現在進めている対応、これから行う予定を分けて記録します。連絡を依頼した段階と相手へ伝わった段階も区別し、依頼したことだけを理由に連絡済みとして扱わない考え方です。

確認待ちには、不足している内容、回答を頼んだ相手、社内で次に確かめる予定を残します。「現地へ照会中」だけでは、担当交代の際に何を待っているか分かりません。どの旅行のどの場面について、何を確認しているかまで書くと、後任が連絡を引き継げます。

追加の情報が届いたら、前の説明を消して置き換えるだけでなく、変更した箇所と確認元を残します。報告担当者には、前回から変わった点が分かる形で渡します。新たな連絡によって参加者の状況や行程の把握が変わった場合も、変更の理由を元の記録へたどれる状態にします。

取りまとめ用の記録と提出用の控えは対応させ、どこまでが提出済みの内容かを見分けられるようにします。引継ぎの際には、控えの保存先、まだ回答を待つ項目、次に連絡を受け持つ人を合わせて伝えるとよいです。

5.提出前の連絡と、来庁する人を確かめる

大阪府の案内に記載された申請方法は、窓口持参とFAXです。また、企画・観光課の旅行業担当へ事前に電話で連絡するよう案内されています。

同じ案内は代理申請を不可とし、会社代表者(旅行業担当の取締役等)若しくは旅行業務取扱管理者の来庁を求めています。

書類を作る担当者だけで提出までの役割を決めず、内容を説明する人、現地の追加情報を受ける人、控えを管理する人をそろえます。窓口へ連絡した際は、回答内容と社内で対応する人を記録し、社内の確認期限へ反映する流れです。

報告の要否や個別の期限に迷う事項は、公式資料と把握できている事実を示して所管の窓口に確認します。過失や補償などの判断は専門家に確認し、情報をそろえるための社内の表で結論を出さない扱いにします。

6.確認表

公開・共有の前に、この表で確かめます。

確認確かめること
□自社の区分と提出先の案内を照合し、使用する様式を確認したか
□旅程と変更の記録をそろえ、対象の場面を特定したか
□参加予定者の記録と、現地で確認できた人の情報を区別したか
□現地の連絡に、確認元・確認時点・折り返し先を添えたか
□実施済みの対応、進行中の対応、今後の予定を書き分けたか
□確認待ちの内容、照会先、社内の担当者と確認期限を残したか
□提出前の連絡、説明する人、控えの保存先と次の引継ぎ先を確認したか

7.自社の事務の手順まで形にしたいとき

ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。

自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、初回無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。

出典(確認日:2026年11月5日)

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