ストレスチェックの結果を会社へ提供する本人同意の受け付け方

要点

本人に結果を知らせた後、個別の同意を確認して受け付けます。同意は書面または電磁的記録で残す必要があります。同意の確認を担う側と、会社で結果を受領する側の担当・経路を分けて整えます。

公開:2026年11月5日/情報の確認日:2026年11月5日(出典はこの記事の最後)

この記事は、ストレスチェックの結果を会社が受け取る前に本人の同意を受け付ける小さな会社の担当者が、同意の時期・確認する担当・記録の残し方と、会社が受け取れる範囲を確かめる流れをまとめたものです。

公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月5日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。

例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。

1.受検の案内に同意欄をまとめない

資料の確認日:2026年11月5日。

本人の個別の同意がなければ、ストレスチェックの結果を事業者に通知することは禁止されています。厚生労働省のストレスチェック指針は、実施前や実施時の同意取得を認めず、同意の強要や強要とみなされる行為も禁止しています。

この記事で参照する指針は、平成30年8月22日改正の版です。実施マニュアルは令和3年2月改訂版です。なお、厚生労働省の制度のページは、令和10年4月1日から労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化されるとしています。ここでは個人の結果提供への同意の受付を扱い、実施義務の個別の適用判断や面接の日程調整には踏み込みません。

2.確認する担当と記録の取り方を決める

実施マニュアルでは、結果を把握している実施者が、本人への結果通知時または通知後に別途、個々人の同意の有無を確認することが望ましいとしています。一方、指針には、本人への結果通知後に、事業者、実施者またはその他の実施事務従事者が個別に確認する方法もあります。

本人への結果通知後、高ストレス者として選定され、面接指導が必要と実施者が認めた労働者に絞って確認する方法では、実施者またはその他の実施事務従事者が、対象者であることを他の労働者に知られないよう個別に同意を確認します。

結果通知に同意確認書類を同封することは、本人が結果を見て判断できるため可能です。

労働側代表の同意で全員分の同意を得たとみなす方法や、期日までに不同意の意思表示がなければ同意とみなす方法は認められません。同意しないと意思表示した労働者に対し、事業者が同意を働きかけることもしてはいけません。

結果を事業者に提供することに同意しない場合に、事業者が不利益な取扱いをすることは禁止されています。

3.受領できる範囲と保存する記録を分ける

同意が得られた場合に実施者が会社へ提供できるのは、本人に通知する情報と同じ範囲内の結果です。会社は、本人の健康確保のための就業上の措置に必要な範囲を超えて、受領した結果を上司や同僚等と共有してはなりません。

本人の同意を得て実施者から結果の提供を受けた会社は、結果の記録を作成し、5年間保存しなければなりません。これとは別に、同意を取得した書面や電磁的記録は、事業者が5年間保存することが望ましいと通達に示されています。結果の記録と同意の記録では、保存する対象と、義務・推奨の位置付けが異なります。

4.受付の管理表は結果の中身を書き込まない

ここからは当社の整理です。

書類を集める前に、本人への案内、意思の確認、会社への受渡し、保存の担当を対応させます。兼務の場合も、今どの役割で扱っているかが分かるよう、受渡しの区切りを残すとよいです。

事務上の確認欄には、どの回の結果か、どの情報を誰へ渡すのか、どの説明を本人に示したかを対応させます。案内を修正したときは、修正前の説明を受けた人と修正後の説明を受けた人を取り違えないよう、使用した案内の版を残す形です。回答欄だけを切り離して集計すると、本人が何への同意を示したのか追えなくなるため、説明と回答の対応を保ちます。

以下は、前節までの公式の扱いを踏まえた受付管理の例です。

段階誰が・いつ扱うかの整理用意するもの・残すこと
案内の準備連絡担当が配布前に整える提供する内容の説明、回答先、問い合わせ先
本人への通知通知担当が発送・配信時に記録する通知した日、案内の版、送付方法
意思の確認確認担当が本人の回答を受ける回答の内容、受領日、元の書面や電子記録の所在
会社への受渡し受渡し担当と受領担当が引き継ぐ同意の確認状況、提供した範囲、受領先と受領日
保存の引継ぎ保存担当が受領後に整える記録ごとの保存先、閲覧できる担当、引継ぎ先

管理表には、結果の点数や詳しい内容を転記せず、受付の経過と原記録の所在を記します。会社で受領した資料と、確認担当が保管する資料を同じ共有場所へ集める運用は避け、担当に応じた保管場所を決めます。

回答を受け取っていない状態と、本人が提供しないと答えた状態は区別します。結果通知に同意確認書類を同封した場合も、同封したことと、本人が内容を読んで同意したことを分けて記録します。不明な回答を担当者の解釈で同意に変えず、確認を担当する側へ戻し、何が未確定なのかを記録する流れです。受領担当には、確認が済んだ資料だけを渡すよう受渡しの基準をそろえます。

担当交代では、管理表だけで完了にせず、記録の保存先へアクセスできる担当が引継ぎ先と一致するかまで確かめます。連絡用の一覧から結果の内容が広がらないことが、管理表を作る際の確認点です。

紙で受けた回答を一覧へ入力する際も、入力済みという印だけで原記録を置き換えず、元の回答と照合できる状態を保ちます。電子で受け付ける場合の確認点も同じで、集計後の状態から、本人が示した回答と受領の経過をたどれるかを見ます。

5.例外的な依頼や扱いの迷いは照会する

厚生労働省の通達では、面接指導を受けることを希望する旨を申し出た労働者については、結果の事業者への提供に同意したものとして取り扱って差し支えなく、その場合はその旨をあらかじめ労働者に周知する必要があるとされています。ただし、申出をした労働者が面接指導の要件に該当するかを確かめる方法として、事業者が実施者に確認する方法など、結果を提供させる方法以外の方法を衛生委員会等で調査審議して定めた場合は、その方法によることができるとしています。

公式Q&Aでは、本人の退職後でも個人情報としての取扱いは変わらず、実施者が事業者へ結果を提供するには本人の同意が必要としています。過去の資料を求められた場合も、通常の受付から外れる依頼として確認先を明らかにします。

相談先として、厚生労働省の事業者向け案内には、47都道府県に設置された産業保健総合支援センター(産保センター)が、ストレスチェック制度を含むメンタルヘルス対策の相談対応などの支援を無料で提供していると記されています。同意の確認を誰が担うか、会社へ渡す範囲をどう決めるかに迷う場合は、上記の公式資料と自社の受付方法を添えて専門家に確認します。照会の際は、個人の結果の中身を添えず、受付の手順のどこで迷っているかを伝えるとよいです。

6.確認表

公開・共有の前に、この表で確かめます。

確認確かめること
□本人への結果通知と意思確認の順序を確かめたか
□意思確認を担う担当と、会社で受領する担当の役割を分けたか
□本人が示した回答を元の記録で確認できるか
□無回答を同意とみなす扱いや、不同意後の働きかけが紛れ込んでいないか確認したか
□提供する範囲と、受領後に共有する範囲を確かめたか
□同意の記録と結果の記録を分けて保存先・担当を決めたか
□判断に迷う場合の照会先と、担当交代時の引継ぎ先を確かめたか

7.自社の事務の手順まで形にしたいとき

ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。

自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、初回無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。

出典(確認日:2026年11月5日)

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