有機JASの格付記録と出荷記録はどう対応させて残す?

要点

担当者が確定した格付の記録に、出荷ごとのロット・数量・出荷先をひも付け、元の記録へ戻れる対応表として残すのが事務上の整理方法です。農林水産省の様式例の記入方法(記録系編)でも、出荷管理記録のロット番号の欄には、出荷時に付したロット番号を記入するとされています。管理番号を付けるだけで終えず、分割出荷や訂正の経緯まで追えるようにします。

公開:2026年11月5日/情報の確認日:2026年11月4日(出典はこの記事の最後)

この記事は、有機JASの格付記録と出荷記録を管理する小さな農業法人・農家の事務担当者が、確定した格付の記録から出荷ロット・数量・出荷先までたどれる形にそろえる流れをまとめたものです。

公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月4日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。

例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。

1.農産物向けの様式例で記録の役割を分ける

農林水産省は、有機農産物向けに格付と出荷を同じシートに記入する様式例も掲載しています。掲載されている様式例は、事業者や認証を目指す農家に使用を強制するものではありません。

記録に残す内容の考え方として、有機農産物検査認証制度ハンドブック(令和6年10月版)では、格付検査記録には、いつ、どこで、だれが、何を、どのように、どれくらいの格付を実施したかを記載するとしています。格付管理記録の記入方法では、格付数量の欄には格付した数量を記入します。出荷管理記録の記入方法では、出荷数量の欄には出荷した数量を記入します。出荷先の欄には販売業者の名称を記入し、直売の場合はその旨を記入します。

記入方法の版は平成26年1月の初版です。様式例のページでは、各種様式例を利用する際は、この「有機農産物の記録様式等の記入方法(記録系編、リスト系編)」を参照するよう案内されています。記録の保存の決まりは、記入方法ではなく、後述の認証の技術的基準と社内の規程で確かめます。

ここでは、栽培作業や資材の使い方をまとめ直すことより、確定済みの記録から出荷先までを追えるようにする事務を扱います。格付の可否や表示の可否を、この対応表で判断する手順は扱いません。

2.格付側の管理番号と出荷ロットを対応表で結ぶ

ここからは当社の整理です。

最初に、担当者が確定した記録を取り出し、その記録を探すための管理番号を対応表に控えます。ここでいう管理番号は社内の目印です。すでに格付番号を使っている職場では、その番号と元の記録の所在を組にして引き継ぐとよいです。出荷ロットの番号と同じ文字列にそろえることより、どの出荷がどの確定済み記録に対応するかを示すことを優先します。

元になる記録・情報対応表に控える内容確認と保管のつなぎ方
担当者が確定した格付側の記録管理番号、対象の作物、対象数量、元の記録の所在確定した担当者に対象範囲を確かめ、原本を探せる状態で保管
出荷時の控え出荷ロット、出荷日、数量、出荷先、対応する管理番号出荷の記入担当が元の控えと照合し、対応表から参照
分割出荷後の控え同じ対象から出た出荷の明細、出荷済み量、未出荷量数量の確認担当が集計し、残った対象と照合
訂正・返送などの連絡変更前後の内容、理由、確認した人、元の明細確認済みの内容を反映し、変更前の控えと一緒に保管

対応表を別に設ける方式でも、使っている帳票に参照欄を足す方式でも、原本と対応先が分かることが中心です。保管場所だけを伝えるのではなく、どの欄を手がかりに探すかも引き継ぎます。

3.分けて出荷した量と残った量を照合する

分割して出荷する場合は、対象数量を出荷の明細へ繰り返し転記するより、対象全体の数量と個々の出荷量を別の欄に置くと照合しやすくなります。集計するのは出荷量の欄であり、対象全体の数量を出荷のたびに加算しないようにします。出荷先が変わったときも、同じ対象に属する出荷の明細をたどれる状態を保ちます。

数量を比べる前に、重量で記録した値と袋数で記録した値を分け、使う単位をそろえます。換算が必要なら、包装の内容量を確認した人と、その根拠の所在を控えるとよいです。差が見つかったときは、明細の欠け、重複した転記、単位の違いなどを調べる順序を決めておきます。

差額を埋めるように元の数量を直す運用は避け、理由を担当者に戻して確かめます。未出荷の量と、返送や処分に関係する量は区別して控え、どの状態の数量を集計しているかも明らかにします。数量の帳尻が合うことだけで、出荷してよいという判断にはつなげません。

4.原本と訂正の経緯を一緒に引き継ぐ

引き継ぎでは、完成した対応表に加えて、照合に使った原本の保管場所、記入する人、確認する人、差が出たときの連絡先をそろえます。記入と確認を同じ人が担う場合も、その役割を引き継ぎメモで区別しておくと、何を確認して記入したのか伝わります。

訂正は、変更前の内容を消すだけで終えず、訂正理由と確認した人が分かる形で残します。出荷先から届いた訂正連絡と社内の転記修正を分けて控えると、元の連絡まで戻って確かめられます。紙と電子の控えが併存している職場では、どちらを元の記録として扱い、どちらに訂正を反映するかも決めておきます。

保管の単位は、ファイル名の付け方だけで決めず、格付側の記録から関連する出荷の控えを探せるかで確かめます。引き継ぐ相手が対応表を使って元の記録を取り出し、明細の数量や出荷先までたどれるところを確認すると、探し方の説明で足りない箇所を見つけられます。

5.保管と提出の決まりは規程と確認先に戻る

認証の技術的基準では、格付規程を整備する事項に「格付に係る記録の作成及び保存に関する事項」が含まれています。

保存の手順を引き継ぐときは、社内で使う規程の該当箇所を確認し、保管期間、保管場所、確認の担当、提出を求められた際の窓口を控えます。提出期限の連絡を受けた場合は、対象となる記録の範囲と提出先も一緒に記録するとよいです。

農林水産省の制度案内では、認証取得に関する詳細な手続等について、申請する登録認証機関に相談するよう案内しています。記録の変更や保存方法について迷う場合は、関係する規程と元の記録、質問事項をそろえて確認先に相談します。制度の適用や表示の可否は専門家に確認し、事務担当者の転記作業と分けて扱います。

6.確認表

公開・共有の前に、この表で確かめます。

確認確かめること
□担当者が確定した記録の管理番号と所在を控えたか
□出荷ロットから格付側の元の記録へ戻れるようにしたか
□出荷日、数量、出荷先を元の控えと照合したか
□対象全体の数量と出荷ごとの数量を分け、単位をそろえたか
□分割出荷後の未出荷量と、差が出た理由を確かめたか
□訂正前後の内容、訂正理由、確認した人を残したか
□規程に沿った保管期間と担当、提出を求められた際の窓口を確認したか

7.自社の事務の手順まで形にしたいとき

ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。

自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、初回無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。

出典(確認日:2026年11月4日)

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