水産物の輸出入証明には何を添える?漁獲・加工・取引資料の整理

要点

水産流通適正化法に基づく輸出の適法漁獲等証明書の申請には、対象品の取引記録と輸出に係る書類を添えます。加工の記録は、原料から製品への対応を追える形で整理します。輸入用の証明は原料の由来と加工場所を分けて確認し、提出する一式と照合に使った控えを引き継ぎます。

公開:2026年11月5日/情報の確認日:2026年11月4日(出典はこの記事の最後)

この記事は、水産流通適正化法の輸出入の証明書を申請する小さな会社の担当者が、取引・輸送・加工の資料と提出先・受付期限を確かめる流れをまとめたものです。

公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月4日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。

例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。

1.輸出と輸入で、添える証明の役割を分けます

この記事で扱うのは、特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律(水産流通適正化法)に基づく証明書の書類です。輸出先の国・地域が別に求める書類や、衛生関係などの別の手続は扱いません。

日本水産資源保護協会の案内では、アワビ・ナマコを輸出する際(通関時)に適法漁獲等証明書の添付が必要とされています。水産庁の輸出用取扱要領の別紙1では、対象は、うなぎの稚魚(全長13センチメートル以下のもの)、アワビ、ナマコ、くろまぐろ(重量が30キログラム以上のもの)に係る品目で、輸出統計品目番号で示されています。この記事では、アワビ・ナマコの申請資料を例に整理します。

水産庁の輸入制度概要では、対象となるイカ・サンマ・サバ・マイワシの輸入時に、旗国の政府機関が発行する適法採捕証明書等を添付するとしています。旗国以外の第三国で加工されて輸入される場合は、加工地の政府機関等が発行する加工申告書等も必要です。

申請用の添付資料と、交付後に通関へ回す証明書を別々に管理すると、依頼する相手や渡す時点を区別できます。この記事は書類の準備を扱い、個別商品の適用区分、漁獲の適法性や申請資格は、公式資料を示して専門家に確認します。

2.輸出申請には、取引・輸送・加工の資料をそろえます

水産庁の輸出用取扱要領は、対象品に係る全ての取引記録の写し、又は記録内容を転記した書面を添付資料に挙げています。輸出に係る仕入書、包装明細書、船荷証券又は航空運送状の写しも必要です。

冷凍加工のみを施したものを除く加工品では、加工内容、加工前後の重量、原材料の漁獲番号又は荷口番号等を記録した書類の写しを添付します。

加工担当からは、出荷する製品と投入した原料を結び付ける記録を受け取り、申請対象の範囲と照合するとよいです。購入時の資料と出荷時の資料を別々に集めるだけでは、間の加工を確認しにくくなります。

3.日本で発給を申請する輸入用の証明は、原料別に準備します

国産の対象水産物を海外で加工等して日本へ輸入する場合には、日本政府が発行した適法採捕証明書が必要です。その申請では、漁業許可証、漁業免許証又は免許漁業原簿の写しを添付します。売買関係書類は、売主・買主、売買年月日、品目、数量、漁獲水域を確認できるものを、漁業者から第三国への輸出者までそろえます。

外国産の対象原料を国内で加工して輸出し、海外で加工等した後に再び日本へ輸入する場合は、日本政府が発行した加工申告書が必要です。その申請には、旗国が交付した適法採捕証明書の写し又は同等の情報が分かるものと、その原料を購入したことが分かるインボイス等の写しを添えます。同じ原材料でも複数の工場で加工する場合は、工場ごとに加工申告書を作成します。

海外の取引先から受け取る書類も含め、提出前には貨物の経路を担当者同士で照合するとよいです。

4.元の記録から提出用と控えへつなぎます

ここからは当社の整理です。

社内の整理例では、元の記録から提出用の書類へ移す項目と、確認する担当を対応づけます。提出した版を控えとして残し、修正途中のファイルと見分けられる名前にすると、後任者が確認を続けやすくなります。

元の記録対応を確かめる項目提出・保管へのつなぎ方確認する人と時点
仕入先から受け取った資料原料の識別情報、取引の相手と数量該当する明細を申請用の一覧と結び付け、元資料の場所を残す仕入担当が資料を受け取った時
加工担当の記録使用した原料、加工内容、加工前後の重量製品に対応する記録をまとめ、確認した版を保管する加工担当が出荷対象を確定する前
出荷・輸送の資料製品名、包装、発送する貨物との対応申請用の写しと照合元を区別し、差し替えの履歴を残す出荷担当が提出前に照合する時
提出後の連絡と交付された書類申請対象との対応、追加提出や修正の内容提出済み一式と受領した書類をまとめ、次に渡す相手を記録する申請担当が受領・修正する時

不足があるときは、資料名だけでなく「誰から受け取るか」「いつまでに社内確認するか」を書類一覧に残します。原料名が同じでも確認済みとは扱わず、購入した明細と加工に用いた範囲を照合する運用が考えられます。

5.申請先と受付期限を分けて引き継ぎます

申請先については、日本水産資源保護協会の案内で、アワビ・ナマコの生鮮品・加工品の適法漁獲等証明書は、国の指定交付機関として同協会が審査・発行しているとされています。同じ案内では、「一元的な輸出証明書発給システム」で申請する際は申請先として「日本水産資源保護協会」を選ぶこと、様式の宛先は日本水産資源保護協会会長となることが示されています。輸出用の取扱要領では、交付申請は原則として一元的な輸出証明書発給システムで行い、システムを利用できない場合は書面で申請するとされ、アワビ及びナマコ(その加工品を含む。)並びにくろまぐろ(重量が30キログラム以上のもの)の書面での提出先と連絡窓口は、水産庁漁政部加工流通課水産流通適正化推進室とされています。システムで申請するときの申請先(協会)と、書面で申請するときの提出先(水産庁の推進室)は、案内ごとに書き分けられています。書面で出す場合は、提出先と様式の宛先を、申請の前に水産庁の連絡窓口で確かめます。協会の案内では、通関日(または証明書の交付を必要とする日)までに必要な日数は、生鮮が2営業日前の16時まで、加工が7営業日前の16時までとされています。交付申請は、修正依頼後の再申請を含め、不備のない状態で行うよう求められています。

水産庁の案内では、日本政府が発行する適法採捕証明書は、申請が到着した日から1週間程度が発行の目安とされています。輸入用の取扱要領では、適法採捕証明書等の交付申請の前に、申請書類の案を電子メールで送り、水産庁に内容の事前確認を求めることができるとされています。政府間協議が継続中の国・地域からの輸入については、水産庁が事前相談を案内しています。

引継ぎでは、受付期限と社内で資料をそろえる日を分け、不備を確かめる余裕を設けるとよいです。例外的な資料で足りるか、適用対象に当たるかは社内で確定せず、該当書類と貨物の経路を示して窓口や専門家に確認します。

6.確認表

公開・共有の前に、この表で確かめます。

確認確かめること
□原料の由来、加工した場所、輸出入の経路を整理したか
□申請用の添付資料と、通関へ回す証明書を区別したか
□購入した原料と加工後の製品を元資料までたどれるか確認したか
□申請対象に関係する売買・輸送・加工の資料を照合したか
□提出先に合う宛先と、提出済みの版を確認したか
□受付期限、社内の確認日、不足資料を確認する担当を決めたか

7.自社の事務の手順まで形にしたいとき

ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。

自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、初回無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。

出典(確認日:2026年11月4日)

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