材料確認書に何を添える?工事材料と品質証明資料のそろえ方
要点
材料確認書は、設計図書で指定された材料について、所定の様式で作成します。設計図書で監督職員の試験もしくは確認及び承諾を受けて使用することが指定された材料は、見本または品質を証明する資料を使用前に提出して確認を受けます。この記事は、近畿地方整備局が公開する「土木工事共通仕様書(案)」と「土木工事書類作成マニュアル(案)」を根拠にしています(確認日:2026-11-03)。ほかの発注者の工事では、その工事の指定を確かめます。当社の整理では、材料名と規格から対応する資料を探せるようにし、提出用と保管用の扱いを分けて準備します。事務担当者は資料の対応を整え、適合や採否の判断は技術担当者へつなぎます。
この記事は、土木工事の材料確認書を準備する小さな建設会社の事務担当者が、近畿地方整備局の公開資料をもとに、材料と品質証明資料の対応、提出する資料と保管・提示する資料の分け方を確かめる流れをまとめたものです。
公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月3日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。
例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。
1.まず、確認対象と提出・提示の扱いを分ける
この記事で参照する令和7年6月版のスリム化ガイドは、令和7年7月以降の近畿地方整備局発注工事のうち港湾空港関係・営繕関係を除くものを対象とし、契約済み工事にも協議の上で適用できるとしています(確認日:2026-11-03)。共通仕様書は「土木工事共通仕様書(案)」の令和8年4月改定版を参照しています(確認日:2026-11-03)。材料確認書の説明と掲載様式は、技術管理関係のページで公開されている「土木工事書類作成マニュアル(案)」令和5年12月版を参照しています(確認日:2026-11-03)。ただし、このマニュアルの巻末にある「工事関係書類の標準様式(案)」には、「令和3年3月版」と表示されています。技術管理関係のページには、様式のファイル「工事関係提出書類様式」も掲載されています。
材料編では、試験成績表、性能試験結果、ミルシート等の品質規格証明書を受注者が整備・保管し、監督職員または検査職員から請求された場合は速やかに提示する扱いです。ただし、設計図書で品質規格証明書等の提出が定められたものは、監督職員への提出が必要です。スリム化ガイドは、材料確認を設計図書において指定された材料のみで良いとしています。
ここからは当社の整理です。
ここで事務の準備として分けたいのは、「材料確認のために提出する資料」と「社内で保管し、提示に備える資料」です。手元に届いた証明書をすべて同じ束に入れる前に、提出の指定があるものを技術担当者と照合します。提出用から外れた資料も、保管先が分かる状態で管理すると引き継ぎやすくなります。
2.材料名から証明資料へたどれるようにする
マニュアルでは、搬入数量は受注者が記入し、確認年月日・確認方法・合格数量・確認印は確認を行った監督職員等が記入する一方、搬入数量と合格数量は指定された場合のみ記載するとしています。確認は搬入ごと、または使用前にまとめて行ってもよく、一部の材料かサンプルと品質証明資料等を基に、要求された品質及び規格に適合しているか確かめるもので、規格及び型式ごとに1回以上提出するという説明です。
事務で整理する際は、書類の題名がそろっているかより、対象の材料と資料が対応しているかを見ます。材料名が似ていても、規格や型式の記載を読み合わせ、違いがある箇所を技術担当者に返す進め方です。確認した人にしか分からない略称を使わず、資料のどの箇所を見たかも添えておくと、引き継ぐ人が照合をやり直せます。
確認欄は監督職員等が記入する欄なので、社内の控えでは、提出前の状態と確認後の記録を区別して扱います。事務担当者が資料を集め終えた状態を「確認済み」と表すと、材料の確認そのものが終わったのか分かりにくくなります。「資料受領」「対応の照合中」「提出待ち」など、作業の状態を示す言葉に分けるとよいです。
3.社内の対応表で、元の記録と提出資料をつなぐ
次の表は、説明用の鋼材について資料を集める架空の整理例です。公式様式への追加や、提出書類の新設を求めるものではありません。社内で引き継ぐための控えとして考えます。
| 整理する段階 | 対応させる記録・資料 | 社内の控えに残すこと | 次に渡す相手 |
|---|---|---|---|
| 対象の把握 | 設計図書の材料の指定箇所 | 対象材料の名称、指定の品質規格、参照箇所 | 技術担当者 |
| 納入情報との照合 | 納品書や材料の表示 | 納入された材料の名称、規格、識別情報 | 現場の受入担当者 |
| 証明資料との対応 | 納入元から届いた品質資料 | 対応する材料、資料名、該当ページ | 技術担当者 |
| 提出・保管の区分 | 材料確認書と対応する資料 | 提出する範囲、保管場所、照合を終えた人 | 提出を担当する人 |
| 引き継ぎ | 提出後の控えと確認結果 | 提出した版、回答の所在、残る照会事項 | 次の事務担当者 |
この表で重視するのは、材料と証明資料の対応を後から追えることです。書類の表紙だけに材料名があり、根拠になるページが離れている場合もあるため、資料名だけでなく該当箇所を控えます。納入元の呼び方と現場の呼び方に違いがある箇所は、元の表記を消して統一せず、対応が分かる形で並べておきます。
提出用の整理を始める前に、対象材料、証明資料、提出要否の照合が済んでいるかを見ます。足りない資料を催促する人と、内容を確かめる人を分けて記録すると、連絡の宛先も明確になります。回答を待っている箇所には、照会先と回答を受けた後の作業を残しておくとよいです。
受領した資料を差し替えるときは、提出済みの控えと現在の準備用を区別します。新しい資料を受け取っただけなのか、前の提出内容を置き換えたのかを、引き継ぐ人が判断できる状態にするためです。材料名に加えて、資料の版や受領した経緯を残す運用が考えられます。
4.省略できる条件と、証明資料の形式を確かめる
材料編では、JIS規格品のうちJISマーク表示が認証され、実際に表示されている材料・製品等については、表示状態を示す写真等の確認資料の提示に替えられます。使用前の見本・品質証明資料についても、JISマーク表示品は表示状態の確認とし、資料の提出を省略できるとしています。
省略の扱いを事務側だけで決めず、材料の表示と設計図書の指定を技術担当者に見てもらう整理にします。単に規格名が書かれていることと、表示の状態まで確認できることを混ぜず、確認に使った資料を示して相談するとよいです。
令和7年6月版のスリム化ガイドには、提出するミルシートは電子ミルシートでもよいとあります。社内では、受領した電子資料についても、どの材料に対応するか、提出した資料はどれかを追える場所に置きます。形式をそろえるための加工と、内容の確認は別の作業として扱います。
5.使用前の確認から逆算して、照会事項を渡す
スリム化ガイドでは、施工計画書の作成段階で実施項目と確認頻度を確認しておくとしています。確認等を受けて使用することが指定された材料は、工事材料を使用するまでに、見本または品質を証明する資料を監督職員に提出し、確認を受ける必要があります。
使用予定を現場担当者と共有した上で、資料の受領、内容の照合、提出の準備、確認結果の受領という順に、担当者と社内の目標日を置きます。提出しただけで手続きを終えた扱いにせず、回答や確認結果の所在まで引き継ぐ進め方です。
迷う点は「何を添えるか分からない」という言い方だけで渡さず、対象材料、設計図書の参照箇所、届いている資料、食い違う記載をまとめます。材料の適合や採否は技術担当者と監督職員へ確認します。契約上の扱いの判断は、参照した公式資料と当該工事の契約図書を示し、専門家に確認する範囲です。
引き継ぎ時には、整っている書類の一覧だけでなく、回答待ちの事項と次に連絡する相手を残します。資料が足りない状態と、資料はあるが対応の確認が終わっていない状態を分けておくと、次の担当者が着手する作業を選べます。
6.確認表
公開・共有の前に、この表で確かめます。
| 確認 | 確かめること |
|---|---|
| □ | 当該工事で材料確認の対象になる材料と、その指定箇所を確かめたか |
| □ | 材料の名称・規格と品質証明資料の記載が対応しているかを技術担当者と照合したか |
| □ | 提出する資料と、保管・提示に備える資料の扱いを分けたか |
| □ | 数量欄の記載の指定と、確認欄を記入する人を確かめたか |
| □ | 省略を検討する資料について、適用条件を技術担当者に確認したか |
| □ | 使用予定、資料の準備を担当する人、社内の目標日を共有したか |
| □ | 提出した版・確認結果・保管先・回答待ちの事項を引き継いだか |
7.自社の事務の手順まで形にしたいとき
ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。
自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、30分の無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。
出典(確認日:2026年11月3日)
- 土木工事書類作成スリム化ガイド/近畿地方整備局/令和7年6月版:表紙、「1.目的、適用」「13.臨場確認」「14.材料確認」。適用対象、実施項目・頻度、材料確認の対象、電子ミルシート
- 土木工事共通仕様書(案)/国土交通省近畿地方整備局/掲載版:令和8年4月改定(ページの更新日表示なし):材料編の掲載元と参照した版
- 技術管理関係/国土交通省近畿地方整備局/ページの更新日表示なし:公開されている共通仕様書(案)・マニュアル・ガイドの版、様式配布先の掲載
- 土木工事書類作成マニュアル(案)/近畿地方整備局企画部/令和5年12月版(掲載ページで版を確認):「2-4 材料確認書」、掲載様式。作成の対象、記入する人、数量欄の条件、確認の時期と規格・型式ごとの提出、巻末の標準様式
- 土木工事共通仕様書(案)第2編 材料編/近畿地方整備局/令和8年4月改定(掲載ページで版を確認):第1章第2節。品質規格証明書の整備・保管・提示、提出の指定、使用前の確認、表示品の扱い
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