病床機能報告の準備に何が必要?設備・人員と診療内容の資料整理

要点

令和8年度の報告は「医療機関機能・病床機能報告」として行われ、一般病床・療養病床を有する病院・有床診療所が報告対象です。準備では、設備・病床の記録、職員配置と勤務時間の記録、患者数や診療内容の集計資料を、対象時点・期間別にそろえます。元の記録と入力先、確認担当、提出控えを結び付け、表示済みの数値も照合する進め方です。この記事では有床診療所の資料整理を中心に扱います。報告期間は、令和8年10月14日付の事務連絡で、報告様式1・報告様式2とも令和8年12月11日までとされています。

公開:2026年11月6日/情報の確認日:2026年11月6日(出典はこの記事の最後)

この記事は、病床機能報告の準備をする有床診療所などの事務担当者が、様式と対象時点・期間に合わせた資料のそろえ方を確かめる流れをまとめたものです。

公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月6日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。

例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。

1.まず自院用の様式と報告単位をそろえる

令和8年度の報告マニュアルでは、提出する報告様式は報告様式1と報告様式2の2種類です。有床診療所用の報告様式1は、1施設1病棟と考え、診療所票と医療機関機能票で構成されます。病院用の記入欄をそのまま引き継ぐのではなく、自院用の入力先と手元の資料を対応させます。

報告様式2は、基本票、病棟票、医療機関機能票で構成されます。同じ担当者がまとめる場合も、入力先ごとに集計表を分け、確定済みか確認中かを見分けられる状態にするとよいです。ここで扱うのは資料の準備であり、区分を自動で選ぶ手順は扱いません。

2.設備・人員の「時点」と患者数の「期間」を分ける

有床診療所の許可病床数は令和8年7月1日時点、最大使用病床数等は令和7年4月1日~令和8年3月31日の年間の値を報告します。許可内容の記録と、実際に使用した状況の記録は別々に用意し、転記前に見出しを付けます。現在の台帳だけで過去の状況まで埋めないことが大切です。

医療機器では、例えば、令和8年7月1日時点の性能区分別のMRI台数を報告し、機器全体の対象は確認・記入要領の「18. 医療機器の台数」に示されています。機器の名称だけでなく、性能が分かる仕様書と導入・廃止の記録を一緒にそろえると、対象時点の保有状況をたどりやすくなります。

職員数の報告対象は様式に記載された職種で、記載のない事務職員等は対象外です。職員数は令和8年7月1日時点を基準に確認し、非常勤職員は所定労働時間を基に常勤換算して報告します。人員の準備には、氏名の一覧だけでなく、職種、所属部門、勤務時間を照合できる資料も含めます。集計者が名前を知っていることと、報告欄に対応した分類が済んでいることは分けて扱います。

入院患者数の状況は、令和7年4月1日~令和8年3月31日の新規入院患者数、在院患者延べ数、退院患者数を報告し、月別の報告は任意です。集計表には開始日・終了日と数え方を残し、人数と延べ数の欄を取り違えないようにします。

3.表示済みの数値を確定資料と照合する

有床診療所の診療所票には、設置主体、許可病床数、主とする診療科、医療機器の台数の前年の報告内容があらかじめ入力され、変更や誤りがある場合は正しく入力し直す必要があります。表示されている内容と院内の確定資料の差を確認し、修正した箇所には元の記録と確認者を対応させます。前年と同じ数値であっても、照合を終えた記録を残す進め方です。

報告様式2の病棟票では、一般病床・療養病床における令和7年4月から令和8年3月診療分の各診療行為について、病棟単位でレセプト件数、算定日数、算定回数を報告します。同じ診療内容でも、件数・日数・回数を同じ数値として扱わず、集計表の列名まで合わせて照合します。

報告様式2の集計内容を確認し、修正が必要ない場合等でも報告は必須です。確認を終えた状態と、提出を終えた状態は、引き継ぎの記録でも分けておきます。

4.元の記録から提出控えまでをつなぐ

ここからは当社の整理です。

次の表は、元の記録から入力・確認・保管までをつなぐ例です。

元の記録入力用にまとめる内容確認する担当の例院内の確認時期・保管先
病床の許可内容と使用状況の記録許可された数と使用した数を分けた集計施設管理と事務の担当入力前に照合し、集計の根拠と一緒に保管
機器台帳・仕様書・導入廃止記録対象時点の台数と性能の区分機器管理の担当転記前に確認し、該当する仕様書を対応付け
職員名簿・所属表・勤務時間の記録職種・部門・勤務区分ごとの集計人員配置を確認できる担当院内確認までに確定し、計算過程を保管
入退院の記録・診療内容の集計対象期間と集計単位を付けた数値診療内容と請求内容の担当提出前に照合し、差の理由を記録
確認済みの入力内容提出した内容と修正の履歴提出担当と確認責任者提出後に控えを保管

表の保管先には、実際の保存場所とファイル名を記入します。確認担当は部署名だけにせず、照会を受けたときに答える人と、不在時の引き継ぎ先まで明らかにするとよいです。

集計の途中で見つかった差は、転記誤り、対象期間の違い、数え方の違いなど、調べる論点を添えて残します。元の記録を上書きせず、集計に使った版と修正後の版を区別しておくと、提出内容から根拠へ戻れます。

5.期限・提出完了・照会先を引き継ぐ

令和8年10月14日付の厚生労働省の事務連絡では、令和8年度の報告期間は、報告様式1が令和8年10月19日~12月11日、報告様式2が令和8年11月2日~12月11日とされています。報告事項及び報告基準等の変更に伴い、当初の案内から報告期間が変更されたものです。院内では、資料が集まる日、責任者が確認する日、提出する日を逆算して記録します。

報告マニュアルでは、G-MISで[保存]ボタンを押しただけでは報告完了とならず、[報告]ボタンを押す必要があるとされています。提出担当が休んでも状況を追えるよう、提出日、確認者、控えの場所を引き継ぎ事項に含めます。

報告に使うマニュアル等は随時更新される可能性があり、厚生労働省は最新資料をダウンロードして利用するよう案内しています。翌年に担当を替える際も、保存してある記入例だけで準備を始めず、その年の資料をそろえるところから引き継ぎます。

報告様式2の確認・記入要領では、報告作業の不明点は問い合わせ窓口に電話で照会でき、電話受付時間内の問い合わせが難しい場合は、問合せフォームまたはFAXでも照会できます。判断が分かれる箇所は、該当欄、元の記録、迷っている理由をそろえます。法的な判断は公式資料を示して専門家に確認し、問い合わせへの回答も引き継ぎ資料に残すとよいです。

6.確認表

公開・共有の前に、この表で確かめます。

確認確かめること
□自院用の入力先と、必要な元の記録を対応付けたか
□各集計の対象時点・開始日・終了日を確認したか
□職種・部門・勤務時間を確認できる資料をそろえたか
□表示済みの内容を確定資料と照合し、修正理由を残したか
□資料の収集担当・確認責任者・提出担当と院内期限を決めたか
□提出完了を確認し、控えと元の記録の保管場所を引き継いだか

7.自社の事務の手順まで形にしたいとき

ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。

自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、初回無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。

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