建築士事務所の年次業務報告は何を集める?業務と所属建築士

要点

集めるのは、業務の一覧と担当者の記録、所属者の情報、資格・講習を確かめる資料、意見の記録です。それぞれの確認役と保存場所を決め、転記した内容を元の記録へ戻って照合できる形にすると、引継ぎ時の不足箇所を見つけやすくなります。

公開:2026年11月5日/情報の確認日:2026年11月5日(出典はこの記事の最後)

この記事は、建築士事務所の年次の業務報告を準備する事務担当者が、業務の記録と所属建築士の情報、意見の記録の集め方を、千葉県の手引きを例に整理するためのものです。

公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月5日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。

例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。制度や規約の内容は出典の公式ページで確かめ、個別の判断は専門家に確認してください。

1.対象年度と基本情報を先にそろえる

確認日:2026年11月4日。

この記事では、千葉県の「設計等の業務に関する報告書 作成及び報告の手引き」の令和7年4月1日改正版を、記載方法の根拠として使います。

千葉県の手引きでは、設計等の業務の有無にかかわらず、事業年度が終了してから3か月以内に毎年報告書を提出する必要があるとされています。法人事務所の報告期間は、定款等で定めている事業年度によります。

事務所登録番号は、報告時点で有効な番号を記載します。e-Govに掲載された報告書式の記入注意には、開設者が法人の場合は、法人の代表者の氏名も併せて記載するとあります。

前回の控えは探す場所の手がかりにし、今回の対象期間と基本情報を照合するための資料を別に集めます。転記する人が、古い情報をそのまま引き継がないための準備です。

2.業務の記録は完了日と担当者でつなぐ

業務の一覧には、案件の名称だけでなく、期間と担当者を照合できる資料の保存場所も添えておくとよいです。請求の記録だけで確認を終えず、業務の経過をたどれる資料を集めます。

期間欄は委託を受けた契約期間を記載し、工期延期があった場合の終わりは実際に業務を完了した日となります。設計業務には、元請建築士事務所から下請業務として設計の一部を請け負った場合も含まれます。

建築物の所在地は、都道府県名のみを記載します。千葉県は、建築用途の欄に建築主の個人名等が入る記載をしないよう注意を示しています。

内部の案件名と提出用の用途の表記は、同じ欄で管理しない形が考えられます。元資料をたどるための名称を残しつつ、転記前に提出用の表記を確認する流れです。

3.所属者は退職者と資格・講習まで確認する

千葉県の手引きでは、当該事業年度に事務所に所属した全ての建築士を記載します。年度途中で退職した建築士は、在職中の建築士と区別できるよう退職日等を記載します。ただし、手引きが挙げる設計等の実務を全く行わず、専ら施工に関する実務のみを行う建築士は、名簿に記載すべき範囲に該当しません。現在の名簿だけで候補を確定せず、在籍の経過を確かめる資料も照合する考え方です。

名簿の建築士としての登録番号には、建築士免許証の登録番号を記載します。所属建築士の定期講習欄には、その講習の直近の受講年月日を記載します。

構造設計一級建築士・設備設計一級建築士である場合は、その旨と各建築士証の交付番号も記載するため、対応する資料を集めます。構造設計一級建築士・設備設計一級建築士については、それぞれの定期講習の直近の受講年月日も記載します。

管理建築士が事務所開設者へ意見を述べた場合は、その事業年度の直近のものから意見の概要を記載します。意見の内容だけでなく、述べた日をたどれる記録を探しておくと、転記後の照合にも使えます。

管理建築士と開設者が同一の場合は、管理建築士の氏名と「開設者と同一のため該当無し」の記載とし、該当がない場合でも第五面は添付する扱いです。

4.元資料から提出後の控えまで対応表を残す

次の表は、集める資料と確認役を引き継ぐための整理案です。提出用の添付書類を指定するものではありません。

元の記録・資料報告書へ転記するための整理確認を頼む相手の案提出・保管へのつなぎ方
対象期間を確かめる資料、登録情報対象期間と基本情報の控え開設者、事務担当者今回の期間と使用した様式を記録
契約書、変更の記録、完了を確かめる資料業務一覧と期間の照合用メモ案件担当者元資料の保存場所を一覧に付記
担当表、図面の担当者情報業務一覧と担当者の対応業務を統括する人確認済みの対応表を控えと保管
在籍の経過、免許証、講習の受講資料所属者の情報と確認状況本人、名簿を管理する人確認元の所在を引継ぎメモに記録
意見を述べた記録内容と日付の照合用メモ意見を述べた人確認後の記載と元の記録を対応

収集中の情報には「確認待ち」「確認済み」を付け、誰の返答を待っているかを残します。空欄だけでは、資料がないのか、返答がまだなのかが分かりません。照合が終わった項目は、確認した人と確認元を記録するとよいです。

提出後は、送った内容の控えと受付を確かめる記録を、元資料に戻れる一覧とまとめます。翌回の担当者が、前回の完成品だけでなく、何を基に書いたかもたどれる状態を目指します。

5.提出方法と迷う項目の確認先を決める

千葉県では、オンラインによる提出のほか、紙を郵送または持参する提出方法が案内されています。紙の提出は1部で、郵送で控えが必要な場合は2部と切手を貼付した返信用封筒を同封する案内です。

千葉県の提出先一覧は、県の出先機関等でも受け付ける旨を示しており、提出窓口を確かめるために使います。

千葉県の報告様式には、記載事項は事実に相違ない旨の文があり、提出前に内容を元記録と照合する際の確認点になります。提出期限とは別に、社内で集め終える日と照合を終える日を決めておくとよいです。

業務の範囲や所属者の扱いに迷う項目は、該当する資料と迷っている欄をまとめ、所管の窓口や専門家に確認します。適用の判断を事務担当者だけで確定せず、回答を受けてから記載をそろえる流れです。

6.確認表

公開・共有の前に、この表で確かめます。

確認確かめること
□対象期間と提出期限を確かめ、収集担当と照合担当を決めたか
□業務一覧の期間・完了日を元の記録と照合したか
□業務一覧と担当した人の対応を確認したか
□在籍の経過、資格、講習の確認資料を集めたか
□用途の表記に不要な個人名等が混ざっていないか確認したか
□意見の記録と日付を照合し、迷う項目の確認先を決めたか
□提出内容の控え、受付を確かめる記録、元資料の保存場所を引き継いだか

7.自社の事務の手順まで形にしたいとき

ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。

自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、初回無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。

出典(確認日:2026年11月5日)

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