退職者のマイナンバー書類を廃棄する前に会社で行う確認と記録の残し方
要点
退職者の書類を処分する前に、番号を使う事務を処理する必要がなくなったことと、所管法令で定められた保存期間を過ぎたことの両方を確認します。廃棄・削除後は記録を保存し、委託した処理は証明書等で完了を確認します。対象、期限、処理方法、完了の記録をつなぐことが確認の中心です。
この記事は、退職者のマイナンバー書類を廃棄・削除する前に確認をそろえたい小さな会社の担当者が、保管を終える条件・処理の方法・完了の記録を確かめる流れをまとめたものです。
公式ページ・公式ヘルプなどの一次資料を2026年11月6日に確かめました。機能や制度は変わることがあるので、使う前に各ページで最新の状態を確認してください。法律・税務・労務の判断や、効果を約束するものではありません。
例は説明のための架空の例です。確認表や作例は、当社の考えをまとめたもので、公式の機関が示しているものではありません。
1.退職日と、保管を終える日を分けて確かめる
確認日:2026年11月6日。
個人情報保護委員会の事業者向けガイドラインでは、番号を使う事務を処理する必要がなくなり、所管法令の保存期間も過ぎた場合、番号をできるだけ速やかに廃棄又は削除しなければならないとしています。所管法令で保存が義務付けられた書類に記載された番号は、その期間保管することになります。
廃棄が必要になってから処理するまでの期間について、同委員会の回答は、安全性と事務の効率性等を勘案して事業者が判断し、毎年度末に廃棄することなどを例に挙げています。
社内の整理では、退職者ごとの箱をそのまま処分の単位にせず、中にある届書の名称と、残っている事務を並べます。書類の保存期限を確かめた記録と、実際に処理する予定を別の欄にすると、何を根拠に候補へ入れたのかを後から追えます。期限の確認を終えた書類と、確認待ちの書類を区別しておくとよいです。
2.紙と電子データで、番号を復元できない方法を選ぶ
ガイドラインの別添は、事務を行う必要がなくなり、所管法令等の保存期間等を経過した場合、番号をできるだけ速やかに復元不可能な手段で削除又は廃棄するとしています。
紙の書類では、焼却又は溶解、復元不可能な程度に細断できるシュレッダーの利用、番号部分を復元不可能な程度にマスキングすること等が手法の例です。機器及び電子媒体等を廃棄する場合は、専用のデータ削除ソフトウェアの利用又は物理的な破壊等により、復元不可能な手段を採用することが考えられるとされています。情報システムや機器等のファイルから番号又は一部の特定個人情報等を削除する場合は、容易に復元できない手段を採用することが例示されています。
処理の準備では、届書の紙、保存した画像、出力した控えなど、対象を媒体ごとに書き分けます。紙を担当する人と電子データを担当する人が違う場合も、どの対象を誰が処理するのかを合わせておくとよいです。方法の名称だけでなく、対象の範囲と処理後に何を確かめるかまで具体化します。
3.処理後の記録と、委託先の証明を対応させる
番号やファイルを削除した場合、又は電子媒体等を廃棄した場合は、削除・廃棄した記録を保存します。取扱状況を確認するための記録等には、特定個人情報等を記載しません。別添の中小規模事業者における対応方法では、特定個人情報等を削除・廃棄したことを、責任ある立場の者が確認するとされています。
機器・電子媒体等の廃棄を委託する場合も、委託先が廃棄を終えたことを証明書等で確認します。
社内の記録では、対象の管理名、処理日、処理方法、作業者、確認者、証明書等の保管先を欄にする方法が考えられます。依頼した状態と、処理が終わったことを確認した状態を分け、証明書等の対象と依頼した対象を突き合わせる流れにします。完了を確認した日まで記すと、依頼後に残っている確認も見分けやすくなります。
利用状況等の記録の保存期間は、取り扱う情報の種類、量、取り扱う職員の数、点検・監査の頻度等を総合的に勘案し、適切に定めることが重要とされています。処理対象の書類を片付ける際には、処理を証明する記録の置き場所と、その管理担当も決めておくとよいです。
4.廃棄候補から完了確認までを担当表でつなぐ
ここからは当社の整理です。
下の表は、処理に進む前の確認と、処理後の記録をつなぐための例です。担当欄には、実際に動く人と、確認する人を書き分けます。予定を決める場面と、処理が終わったと確認する場面を離して記録できる形です。
| 段階 | 誰が | いつ | 用意・記録するもの |
|---|---|---|---|
| 候補の洗い出し | 書類を管理する担当 | 処理対象を選ぶ前 | 届書の管理名、紙と電子の所在、残っている事務 |
| 保管終了の確認 | 事務の担当と確認する人 | 処理へ進める前 | 終了の根拠、確認した回答、確認日 |
| 方法と予定の整理 | 処理の担当 | 作業を手配する前 | 対象の範囲、処理方法、作業予定、依頼先 |
| 処理と照合 | 作業する人と確認する人 | 作業後 | 処理日、対象との照合結果、証明書等の所在 |
| 完了の記録 | 記録を管理する担当 | 照合を終えたとき | 完了を確認した日、確認者、残った作業 |
表を使うときは、処理予定・依頼済み・完了確認済みなど、社内で使う状態の意味もそろえます。証明書等を受け取るまで確認が残る対象は、その確認を誰が受け持つか分かる形にします。候補の一覧から外した書類には、次に調べる点と確認先を残すとよいです。
担当者の引継ぎでは、処理を終えた対象だけでなく、未処理の対象と確認待ちの事項を渡します。表の行と保管した記録を対応させ、後任者が同じ対象をたどれるかを確認する進め方です。
5.期限や方法に迷う点を整理して相談する
個人情報保護委員会の苦情あっせん相談窓口は、ガイドラインに関する質問として、特定個人情報の保存期間や廃棄方法等の質問に応じています。
書類ごとの保存期限、期限を数え始める時点、残っている事務の扱いは、届書の名称と用途を整理し、公式資料を示して専門家に確認します。退職したので処分したいという相談だけで終えず、何の書類がどの形で残り、どこが決められないのかを伝えるとよいです。
確認した回答は、対象の管理名と結び付けて残します。期限に関する回答は候補の一覧へ、処理方法に関する回答は作業の手順へ反映し、次の担当者が同じ疑問から調べ直さずに済む形に整えます。
6.確認表
公開・共有の前に、この表で確かめます。
| 確認 | 確かめること |
|---|---|
| □ | 対象の届書名、残っている事務、保管終了の根拠を整理したか |
| □ | 書類ごとの保存期限と、その確認先を記録したか |
| □ | 紙と電子データの処理対象を対応させたか |
| □ | 対象に合う処理方法と、処理後の確認方法を決めたか |
| □ | 委託した対象と証明書等を照合する担当を決めたか |
| □ | 処理日、方法、確認者、記録の保管先を残したか |
| □ | 未処理・確認待ちの対象と、次に行う確認を引き継いだか |
7.自社の事務の手順まで形にしたいとき
ここまでの確認を、自社の事務の手順書や、AIの結果を確かめる検査まで形にしたい場合は、当社のように、手順と検査の設計まで行う相談先が選択肢になります。オンラインは全国から対応しています。
自社の事務のどこから確認を入れるかを相談したい場合は、初回無料相談をご利用ください。法律・税務・労務の判断や、効果の約束は行いません。
出典(確認日:2026年11月6日)
- 特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編):保管終了の条件、復元不可能な処理、削除・廃棄の記録と記録への記載制限。
- 個人番号の廃棄が必要となってから、廃棄作業を行うまでの期間は、どの程度許容されますか。:廃棄が必要になってから実作業までの期間の考え方。
- 特定個人情報を記録していた機器を廃棄するに当たっては、個人番号を復元不可能な手段を取らなければならない、とされているところ、当該廃棄作業を外:機器・電子媒体等の廃棄を委託した際の証明書等による確認。
- 事業者における特定個人情報等の利用状況等の記録について、どのくらいの保存期間を定めればよいか。:利用状況等の記録の保存期間を定める際の考慮事項。
- 苦情あっせん相談窓口(マイナンバー):ガイドラインに基づく保存期間・廃棄方法等の質問の相談先。
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