AIで文字起こしから議事録を作るときの注意点。録音の前と、議事録にする前の確認
要点
文字起こしから議事録を作るときは、録音する前と議事録にする前に確かめることがあります。録音する前は、参加者に録音を伝えること、社外秘や個人情報を含む会議かどうか、使うAIのサービスが入力を学習に使う設定かどうか。議事録にする前は、話者・固有名詞・数字・聞き取れなかった箇所を、文字起こしの段階で直すか印をつけます。
この記事は、会議を録音し、文字起こしの結果をAIで議事録にまとめる流れを想定しています。特定の文字起こしツールのおすすめや比較はしません。
提案と決定事項を分けて議事録を書く方法は、AI議事録で提案と決定事項を分ける方法で扱っています。
1.文字起こしと議事録は、別の工程として分ける
文字起こしは、話されたことを文字にする工程です。議事録は、その中から決まったこと・提案・担当・期限を選んでまとめる工程です。2つを一度にAIへ頼むと、名前の聞き違いや数字の誤りといった文字起こしの段階の誤りが、そのまま議事録の決定事項に入ります。
そこで、①文字起こしを確かめて直す、②直した文字起こしを元に議事録を作る、の順に分けます。②では、元の文字起こしの行番号を出典として付けさせると、あとで確かめやすくなります。行番号つきで渡す方法は、AI議事録の実演で紹介しています。
2.録音する前に確かめる3つ
1.参加者に録音を伝える
録音すること、何に使うか(議事録の作成)、いつ消すかを、会議の初めに伝えます。社外の人が参加する会議では、特に先に伝えておきます。
2.社外秘・個人情報を含む会議かを確かめる
人事・採用、取引の条件、お客様の個人情報が話される会議は、録音やAIへの入力をするかどうかを先に決めます。
個人情報保護委員会は2023年6月2日の注意喚起で、個人情報取扱事業者が生成AIサービスに個人情報を含むプロンプトを入力する場合は、利用目的の達成に必要な範囲内かを十分に確認するよう求めています。あわせて、本人の同意なく個人データを含むプロンプトを入力し、それが応答の出力以外の目的で扱われる場合は個人情報保護法に違反する可能性があるとして、提供する事業者が機械学習に利用しないこと等を十分に確認するよう呼びかけています。
3.使うAIのサービスの学習設定を確かめる
OpenAI と Anthropic の公式のヘルプ(2026年10月30日に確認)によると、ChatGPT・Claude とも、法人向けのプラン(ChatGPT Business・Enterprise・Edu、Claude for Work など)と API は、既定では入力と出力をモデルの学習に使いません。個人向けのプラン(Free・Plus・Pro、Claude の Free・Pro・Max)は、設定と、回答に送る高評価・低評価のフィードバックによって扱いが変わります。
サービスごとの違いは、生成AIの社内ルールの作り方(使うサービスの学習設定)に表でまとめています。条件やプランの名前は変わることがあるので、使う前に下の出典の公式ページで確かめてください。
3.文字起こしで確かめる4つ
| 確かめること | 起こりうるずれ | 直し方 |
|---|---|---|
| 話者 | 発言者が入れ替わる、2人の発言が1人分にまとまる | 参加者の一覧と照らし、決定や担当に関わる発言だけでも話者を確かめる |
| 固有名詞 | 社名・人名・商品名が、別の字や似た音の語になる | 参加者・取引先・商品の名前の一覧を先に用意し、照らして直す |
| 数字・日付 | 金額の桁、日付、「〜まで」と「〜から」の取り違え | 数字と日付の出てくる箇所は、録音を聞き直すか発言者に確かめる |
| 聞き取れない箇所 | 重なった発言や雑音の所が、もっともらしい文になっている | 推測で埋めず、[聞き取れず 12:30ごろ]のように印を残す |
印を残した箇所は、議事録にするときに「未確認」として残し、決定事項には入れません。
4.議事録にする段階では、提案と決定を分ける
直した文字起こしから議事録を作るときは、提案が決定事項として書かれないように指示し、共有の前に元の文字起こしと照らします。指示文(プロンプト)の例と、共有前に見る5項目は、AI議事録で提案と決定事項を分ける方法で紹介しています。
5.文字起こしから議事録までの確認表
| 確認 | 確かめること |
|---|---|
| □ | 参加者に、録音することと使い道を伝えた |
| □ | 社外秘・個人情報を含む会議かを確かめ、AIに入れる範囲を決めた |
| □ | 使うAIのサービスの学習の設定を、公式のヘルプで確かめた |
| □ | 参加者・取引先・商品の名前の一覧を用意した |
| □ | 決定や担当に関わる発言の話者を確かめた |
| □ | 数字と日付を、録音か発言者に確かめた |
| □ | 聞き取れない箇所に印を残した(推測で埋めていない) |
| □ | 議事録の決定事項に、未確認の箇所が入っていない |
| □ | 録音と文字起こしを、決めた時期に消した |
6.会議の記録づくりを、手順ごと整えたいとき
会議メモや文字起こしから議事録・資料を作る作業を、確認の手順つきで整えたい場合は、議事録・資料作成の実演と作る仕事の詳細をご覧ください。
自社の会議で何から決めるかを相談したい場合は、30分の無料相談をご利用ください。
出典(確認日:2026年10月30日)
- 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」(2023年6月2日):別添1「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(1)個人情報取扱事業者における注意点
- OpenAI ヘルプセンター「モデルのパフォーマンスを向上させるためのデータの使用方法」:個人向けと法人向けの違い、フィードバックの扱い
- Anthropic プライバシーセンター「私のデータはモデルトレーニングに使用されていますか?」(消費者向け):Free・Pro・Max、シークレットチャット、フィードバックの保存期間
- Anthropic プライバシーセンター「私のデータはモデルトレーニングに使用されていますか?」(商用顧客向け):Claude for Work・API の既定の扱い